おてらおやつクラブとは


日本国内において子どもの6人に1人(※)が貧困状態にあります。「おてらおやつクラブ」は、全国のお寺と支援団体、そして檀信徒および地域住民が協力し、慈悲の実践活動を通じて貧困問題の解決を目指す活動です。

「おてらおやつクラブ」は、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として頂戴し、子どもをサポートする支援団体の協力の下、経済的に困難な状況にあるご家庭へ「おすそわけ」する活動です。活動趣旨に賛同する全国のお寺と、子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の団体をつなげ、お菓子や果物、食品や日用品をお届けしています。

※ 平成25年 国民生活基礎調査(厚生労働省)
※ 平成29年 国民生活基礎調査では13.9%となり、子どもの7人に1人が貧困状態にあります。

お寺が貧困問題に取り組む理由

国内の貧困問題が深刻です。貧困状態に陥る原因はさまざまですが、経済的に困難な状況にあり孤立してしまう困窮者を自己責任論で見捨ててしまうことはできません。貧困母子の心中事件や、ダブルワーク・トリプルワークで子どもと過ごす時間を取れず、子どもが事件に巻き込まれてしまうというケースも連日報道されています。

2015年4月、生活困窮者自立支援法が施行されました。行政や民間団体などもこの問題に対してさまざまな施策を展開していますが、決して十分とはいえない状況です。「おてらおやつクラブ」は、物資の支援にとどまらず、苦しむ人々の状況を想像し、お寺が社会に対してなにができるか?宗教者が檀信徒や地域住民と共に模索しながら行動する慈悲の実践活動でもあります。全国に7万以上あるといわれるお寺が貧困問題の解決に向けて活動すれば、その解決への一助になると確信しています。

当活動はお寺へのお供え物を「おすそわけ」するものですから、どのお寺も容易に参加することができます。無理のない範囲で支援活動をスタートし、活動参加をきっかけに貧困問題に接し、檀信徒らと共にお寺の存在価値や仏教の利他精神などを考えることにつながる機会にもなっています。当活動によって全国のお寺が社会活動の側面から仏教精神を発揮することは、仏教を通じて豊かな人間性を育て、よりよい社会形成を推進することにつながっていくと確信しています。

貧困状態の放置は、子供世代、孫世代へと連鎖していきます。将来の社会の担い手を救うためにも、そして仏教信仰の相続を確かなものにするためにも、貧困問題の早期解決が必要なのです。

お寺だからこそできる活動

「おてらおやつクラブ」は単なる食糧支援ではありません。檀信徒の皆さまよりお預かりした仏さまへのお供え物を「おすそわけ」するわけですから、そこには仏教が説く慈悲の実践がなされなければいけません。

“お仏飯”という言葉があります。朝一番にお仏壇や本堂の御本尊さまにお供えする炊きたてのご飯を指すこともあれば、仏さまにお供えされるもの全般を指す場合もあります。私たち僧侶は、このお仏飯を日々「おさがり」として頂戴し、育てていただく存在であります。仏さまの慈悲によって育てられているのです。

「おてらおやつクラブ」の活動は、お仏飯を「おすそわけ」する食糧支援の側面もありますが、仏さまのお慈悲をお届けすること、困っている方々が助けを求めることができる、孤立しない状況を作っていくことが最も大切であろうと思います。

おやつを受け取った親御さんたちからの共通するメッセージは「自分たちのことを見守ってくれている人がいる」ことへの感謝です。孤立している状況を少しでも和らげる効果があると実感しています。僧侶は「愚かな私たちを見守ってくれる仏さま」の存在のありがたさを日々説いています。支援活動を通して親御さんより頂戴するメッセージから、改めて「見守ってくれる存在のありがたさ」を認識させていただくことができ、より信仰を深めるきっかけにもなっていると思います。

この活動がきっかけとなり、貧困問題が遠く貧しい国々での話ではなく、この豊かだといわれる日本国内での話、自分たちの生活する地域の身近なところで起きている問題であると気づき、僧俗手を取り合い行動する人々が増えていくことを期待しています。

みなさまのご参加をお待ちしております。