
ともに助けあい支えあう
公益財団法人 浄土宗ともいき財団(以下、「ともいき財団」)は、ともに助けあい支えあう「ともいき社会」の実現を掲げられ、寺院と地域のつながりづくりを応援するための助成活動を実施しています。
私たちおてらおやつクラブもまた、困難を抱える子どもたちや家庭が孤立せず、地域の中で支えあいながら生きていける「たよってうれしい、たよられてうれしい。」社会の実現を目指して活動しています。
こうした共通の願いのもと、私たちは2017年より、ともいき財団から継続的なご支援をいただいて活動を続けてきました。
この助成は単なる資金提供ではなく、「ともいき社会」の実現に向けた取り組みを託されたものであり、私たちはその信頼を預かる立場として本事業に取り組んでいます。
これまでに、おそなえものを子どもたちにおすそわけするための発送費、啓発活動の中核を担うフリーマガジン「てばなす」の製作費、子どもたちに観劇体験を提供する「おてらおやつ劇場」上演費など、私たちの活動を多方面から支えてくださっています。
子どもの貧困問題に向き合う実践者を、全国に広げるために
現在、国内には約38万世帯のひとり親家庭が厳しい状況の中で暮らしていると言われています。
*「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、全国135万世帯のひとり親世帯のうち、母子・父子のみの世帯が85.5万世帯。「令和4年国⺠生活基礎調査」では、ひとり親家庭の貧困率は44.5%と言われており、おてらおやつクラブ事務局で85.5万×44.5%として38万世帯を算出
その数に対して、協力の輪はまだ十分とは言えません。地域で支えあう担い手、とくに寺院の存在は不可欠です。
そうした課題に対して、寺院の輪を広げることを目的に、「子どもの貧困問題解決に賛同する実践者を増やす啓発活動」をともいき財団の助成を受けて実施しました。
題して「お寺の”ある”を社会の”ない”へ ーお寺ができる子ども支援とは?」です。
全国7か所での説明会を開催
岩手、神奈川、埼玉、大阪、香川、鹿児島の6県にて計7回の説明会を実施し、子どもの貧困問題の啓発と当法人の取り組みへの理解促進を図りました。
すでにおすそわけ活動に取り組まれている登録寺院さまや、子ども支援の専門家の方にもご登壇いただきました。困りごとを抱える子どもが「自分のすぐ近くにいること」、そして子どもたちを支える活動が「意識が高い誰かの活動」ではなく「自分にもできること」として、参加者の意識を高めるきっかけとなったと感じています。

埼玉での説明会レポート
https://otera-oyatsu.club/2025/10/report-temple-event-saibutu/
神奈川での説明会レポート
https://otera-oyatsu.club/2026/03/report-temple-event-syouryuji/
また、おすそわけ発送体験会も実施しました。自分の手でおすそわけを梱包することで、ものだけではなく「気持ち」を箱に詰めるという感覚を体験してもらうことができました。


大阪での説明会レポート
https://otera-oyatsu.club/2025/06/report-temple-event-isshinji/
鹿児島での説明会レポート
https://otera-oyatsu.club/2026/03/report-temple-event-kagoshima/
成果と参加者の広がり
本事業には、計207名の方にご参加いただきました。
その結果、新たに
・おすそわけの発送に協力いただける寺院:8寺院
・冊子配布など啓発活動に協力いただける寺院:18寺院
と、合計で26寺院が新たに関わってくださることとなりました。
また、おすそわけを受け取った家庭の声を集めた冊子「声」や、私たちの活動を報告し現場の実情を伝える冊子「てばなす」をお配りすることで、活動に関心をお寄せいただいた629名の方から総額7,181,139円のご寄付を賜り、活動への共感の広がりを実感することができました。
説明会後には冊子の追加申し込みや、おすそわけ梱包のボランティア参加の申し出もあり、単なる理解にとどまらず「自分のできることで応援する」という行動へとつながる様子が各地で生まれました。
ともいき財団から託された助成をもとに、各地で新たな出会いと実践が生まれました。
こうした一つひとつの積み重ねが、「ともいき社会」の実現に向けた確かな一歩であると感じています。
見えてきた課題とこれから
本事業を通じて、まだ接点のなかった地域においても活動説明会を実施することができ、寺院や支援者との新たなつながりを築くことができました。
一方で、38万世帯を支えるために必要な実践者数には依然として届いておらず、特に「集客の難しさ」は大きな課題として残りました。
「子どもの貧困」というテーマは、関心があっても参加のハードルを高く感じて参加しづらい傾向があると推察しています。実際に「子どもの虐待」の切り口を含めた神奈川の説明会では参加者が多く、貧困に限定しないテーマで子どもとの関わりを考えるほうが参加しやすいのかもしれません。今後はより多くの方に関心を持っていただけるように、どう伝えるかという工夫が必要であると考えています。
「何かしたい」と思いながらも関わるきっかけがなかった寺院がまだまだ存在することも改めて認識しました。
おすそわけの発送にとどまらず、各地域において寺院が取り組む子ども支援の可能性を模索し、無理のない形で支えあいが続く社会を目指していきます。



