2022年4月より、認定NPO法人おてらおやつクラブ(代表理事:松島靖朗)の新たな取り組みとして、事務局のある奈良県田原本町で子どもの居場所づくり事業が始まりました。
これまで以上に子どもたちと関わる機会を増やし、子どもたちに笑顔を届けるため活動に取り組んでまいります。
子どもと出会い、寄り添う場づくりを
メディアの報道では、子どもの貧困問題や不登校児童の数が増加していることなど、子どもを取り巻く課題がたびたび取り上げられています。
皆さんの周りには、困りごとを抱えている子どもたちはいますか?
おそらく多くの方は、「そんな子は近くにいない」と答えるのではないでしょうか?本当の答えは、「いない」ではなく、「見えていない」ではないでしょうか。
現在、全国で経済的に困難を抱える子どもはおよそ7人に1人と言われています(厚生労働省:「2019年 国民生活基礎調査の概況」)
経済的に困難を抱えるひとり親家庭の子どもの中には、親がダブルワークなどで長時間家を空けている場合も多く、日中や放課後に家でひとりで過ごしている子もいます。
子どもがひとりで過ごす時間が多いと、結果的に困ったときに誰かに相談することができなくなったり、孤独感を抱えながら家で過ごすことを余儀なくされたりなど、困りごとが周囲から見えにくくなってしまいます。
おてらおやつクラブにも以前、おすそわけを受け取ったお母さんから以下のような声をお送りいただきました。
三年前に夫が急死し、二年前に長男が不登校になり、精神疾患で母子分離不安が強く、仕事に就けていません。学校にも適応指導教室にも居場所がない過敏な子どもの受け皿を作ってほしいです。フリースクールは高額で通えません。
(千葉県40代のお母さん/男児2人)
この他にも、
「仕事が多いため、子どもを独りぼっちにさせているのが申し訳ない」
「子どもがたくさんの友だちや大人と触れあえるような、健やかな成長の場がほしい」
といった声があります。
おてらおやつクラブではこうした声を踏まえ、見えにくい子どもたちの困りごとにいっそう丁寧に眼差しを向けるために、子どもの居場所づくり事業を始めました。
この事業を通じて、子どもたちと出会い、寄り添っていくことで、子どもたちに困りごとができたときに気軽に相談できる関係性を築いていきます。
現在、子どもから大人までの地域のボランティアさんとともに、予定地である奈良県田原本町の空き家改修作業に取り組んでいます。
「居場所」となる田原本町の空き家
改修作業の様子