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認定NPO法人おてらおやつクラブは家計がひっ迫しやすい冬休みに向けて、2024年11月1日(金)〜12月31日(火)の期間に全国のひとり親家庭を応援するプロジェクト「歳末たすけあい2024」を実施し、2,228世帯へおすそわけを届けました。おすそわけ発送にご協力くださったお寺さまをはじめ、ご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
一年のなかでも特に歳末は学校給食がなく食費や光熱費による家計の圧迫や行政からの児童扶養手当の支給が12月はないなどの理由から、困りごとを抱えるひとり親家庭が増える時期です。
家族みんなが一年の終わりにホッと一息ついてあたたかい歳末を過ごせるように取り組んだ「歳末たすけあい2024」。今回の成果から①プロジェクトの結果、②おすそわけを受け取った家庭からの「声」、③今後の課題(皆さんにお願いしたいこと)を報告いたします。
①プロジェクトの結果
食品・日用品で応援
おてらおやつクラブは、匿名で全国のひとり親家庭の自宅へ直接おすそわけを届ける取り組みを実施しています。
「歳末たすけあい2024」では全国2,228世帯におすそわけを届けましたが、おすそわけの発送には227の寺院さま・神社さまがご協力くださり、のべ114名の方が食品・お菓子・日用品をご寄贈くださいました。各寺院で開催されたおすそわけ梱包のボランティアでご支援いただいた方もいらっしゃいます。
皆さまには心より感謝申し上げます。
お金で応援
おてらおやつクラブは皆さまからのご寄付をもとに活動しています。おすそわけ配送費をはじめとする活動費に充てさせていただくため、奈良県天理市・奈良県田原本町と連携し、ふるさと納税の仕組みを利用した寄付の窓口を2024年も開設しました。
田原本町(2024年10月1日~12月31日)では10名の方から計264,500円を、天理市(2024年7月1日~9月29日/2024年10月10日~12月31日)では126名の方から4,080,016円のご支援をいただきました。お力添えくださった皆さまに心からお礼申し上げます。
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また、2025年2月28日までの期間、奈良県三宅町でもふるさと納税型寄付の窓口を開設しています。ぜひともご協力をお願いいたします。
▼『ひとり親家庭の子どもたちへ「野球グローブ」をおすそわけしたい』プロジェクトページ
https://furusato-forgood.jp/projects/000065
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②家庭からの声
おすそわけを受けとった家庭からの喜びの声をいくつかご紹介します(すべて許可を頂いています)。
心温まるメッセージとおすそ分けをお送りいただき、心よりお礼申し上げます。
光熱費を抑えるため寒い部屋で我慢してた中で、とても暖かい気持ちになれました。
食費もどんどん上がる中、子供達が楽しみにしてるクリスマスが近づき、またお正月をどう迎えられるか、日に日に悩ましさが増す中、物心共に救われた気がします。普段は買えないお菓子は、こっそり子どもたちのクリスマスプレゼントにさせていただければと思います。本当にありがとうございました。
(東京都のお母さん/お子さん2人)
お米は新米を頂き有り難くて大喜びしました。物価上昇でなかなか思うような買い物が出来ずに節約してる分が多いので頼れる場所が有る事に感謝と安心を覚えます。また、美味しそうな海苔が入っていたので、近々海苔巻きを作ってあげようと思います。おやつも、ジュースも小分けで食べきりサイズで助かります。
おすそ分けをしばらく遠慮してましたが久しぶりに頂いた事に感謝いたします。自宅の仏様に一旦お上げして頂きます。貧困な家庭が少しでも減り、1人でも多くの笑顔が増える事を願います。
おすそ分けしてくださった皆さま、またボランティアで仕分け等のお世話くださった方々、携わってくださった皆さま本当に有り難うございます。
(佐賀県のお母さん/お子さん1人)
やはり物価高の影響が大きいようで、食費や光熱費を節約している家庭が多くいらっしゃいました。特に果物やお菓子は我慢せざるを得ず、子どもに我慢をさせていることへのお母さん・お父さんのやるせなさが伝わってきます。クリスマスやお正月などのイベントごとはどうしても出費がかさむため、年末年始が憂鬱だという声もありました。
そのような中、おすそわけを通して家族が楽しいひと時を過ごすことができたという声を読むと、こちらもあたたかい気持ちになります。
シングルマザーで過ごしていることを周りにあまり話せていないこともあり(偏見などが少なからずあるため)、気持ちの面で孤独を感じたり、孤立感を感じたりすることがあります。そのため、こうしてひとり親家庭に温かい目を向けてくださる方がいるということが、とても心の支えになっています。
お手伝いいただき、このような機会を作っていただいた皆様には、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
届いた荷物の中にお手紙が入っていました。とても温かいメッセージに自分は1人ではないのだと勇気づけられる思いがしました。寒い日でしたが、心が温まりました。
(東京都のお母さん/お子さん1人)
物価高騰が続き、寒さで暖房費もかかりかなり苦しい生活になってきましたが、お米とお菓子に子供が大喜びしていました。
見たことも、会ったこともない私達を助けて下さる方が居ると思え、とても心強く、また嬉しく前向きになれました。
お腹が空いていた息子は早速「おっとっと」を食べ、「明日はチョコレートを食べる」と楽しみにしています。
いつか、恩返しが出来るように一生懸命頑張っていきます。本当にありがとうございます。
(山形県のお母さん/お子さん1人)
沢山のお菓子とお米と、優しいメッセージ、とてもココロが暖かくなりました。ありがとうございました。
沢山のお菓子に子ども達も『誰がくれたの?どうしてくれたの?』と興味津々でした。
優しいお寺さんからいただいた事をちゃんと伝えたら、とても感謝していました。
子ども達にいただいた優しさが、いつかこの子達から誰かへの優しさに繋がりますように。そんな気持ちになりました。ありがとうございます。
(広島県のお母さん/お子さん2人)
お寺から家庭に送るおすそわけは「匿名配送」のため、お寺と家庭がお互いの個人情報を明かさずにおすそわけのやり取りをすることができます。
発送先のお寺も、お供えしてくださった方も、梱包を手伝ってくださったボランティアさんも、届ける先のご家庭の名前も顔も知りません。見えない関係だからこそ、「たすけて」と声をあげることができ、程よい距離感でそっと手を添えることができます。
③今後の課題(皆さんにお願いしたいこと)
おてらおやつクラブにつながるひとり親家庭はこの10年間で全国約15,000世帯となり、2024年度だけで4,000世帯以上の家庭からの支援要請が寄せられました。日本では貧困家庭は周囲から「見えにくい」と言われている中、困りごとを抱えた家庭の存在が少しずつ「見える」ようになってきました。
全国には38万世帯のひとり親家庭(※)が貧困状態にあると言われています。私たちは困りごとを抱えた全国38万世帯の家庭を「見える」ようにするため、おすそわけ活動の輪を広げていくことを目標に掲げています。
*「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」によると、全国135万世帯のひとり親世帯のうち、母子・父子のみの世帯が85.5万世帯。「令和4年国⺠生活基礎調査」では、ひとり親家庭の貧困率は44.5%と言われており、おてらおやつクラブ事務局で85.5万×44.5%として38万世帯を算出
1.おすそわけを家庭へ発送するお寺を増やす
現在、おすそわけを送ることができる状態のお寺さまは1,553寺院あります。今回「歳末たすけあい」に参加し、おすそわけを発送してくださったのは227寺院(14.6%)でした。歳末のお忙しい時期にお願いしているため、タイミングが合わず発送できなかったというお寺さまが多いと拝察します。
家庭への発送に参加されるお寺さまが増えれば、1寺院からたくさん発送しなくても、複数の寺院で無理なく家庭へおすそわけを届けられます。未経験のお寺さまにも家庭への発送をお試しいただきたいので、お知り合いのお寺さまがいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けをお願いします。
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ご紹介の際に活用いただける資料
▼リーフレット
https://otera-oyatsu.club/leaflet/
▼おすそわけを受け取ったひとり親家庭の声を集めた冊子 「声」
https://otera-oyatsu.club/2024/12/voice-book2024/
▼フリーマガジン「てばなす」
https://otera-oyatsu.club/2024/06/tebanasu8/
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2.ご寄付・ご寄贈で支援いただける方を増やす
コロナ禍の2021年度には、全国4,128世帯からの支援要請がありましたが、2024年度はそれを上回る4,263世帯(2025年1月時点)から「たすけて」の声が届きました。今後も活動の歩みを止めることなく家庭におすそわけを届けるためには皆さまからのご寄付・ご寄贈が必要です。
2024年度と同様、2025年度も新たに5,000世帯からの支援要請があると予想しています。現在おてらおやつクラブに登録している家庭と合わせると、登録家庭が20,000世帯を超える見込みです。
今年度、私たちは年間約20,000世帯以上の家庭へおすそわけを届けたいと考えています。おすそわけを1箱届けるための費用は約1,000円。20,000世帯へおすそわけを届けるためには単純計算で2,000万円必要になります。
「おてらおやつクラブとしか関わりがない」「困った時に頼る先がない」という孤立した状況のご家庭も多くおられます。おすそわけが届き「誰かに頼っていいんだ」と感じる体験をしてもらうことが社会とつながる第一歩となります。また、おすそわけは一度きりではなく、困ったときに遠くの家族から贈り物が届いたときのようなホッとする体験をその後もお送りしたいと思っています。そのためには、ご寄付でのお力添えを一層お願いしたいです。
そして、おすそわけに梱包する食品や日用品のご寄贈を増やしていくことも重要です。各お寺のお檀家さまからのお供え物だけでは全国38万世帯へおすそわけは難しく、おてらおやつクラブにつながる子どもたちのためにと、各お寺にご寄贈をお送りくださる個人さま・企業さまの継続的な応援もより一層必要となります。
今後、全国38万世帯へのおすそわけという大きな目標を達成するために、ぜひ皆さまのお力をお貸しください。引き続きよろしくお願いいたします。
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▼寄付で応援する
https://otera-oyatsu.club/donate/
▼寄贈で応援する
https://otera-oyatsu.club/donation/food/
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発送にご協力いただいたお寺さま
*おてらおやつクラブWebサイト登録寺院紹介ページ掲載可のお寺さまのみ掲載
掲載希望のお寺さまは事務局までお問い合わせください。
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困りごとを抱えるご家庭からの「たすけて」の声に応えていくためには、より多くのお寺さまのご協力が不可欠です。全国約30万世帯のひとり親家庭に「おすそわけ」を届けるため、引き続きお寺さまのご参加をお待ちしております。
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お供え物での協力が難しいとお悩みのお寺さまには、その他のさまざまな活動方法でご参加いただくことが可能です。募金箱の設置や啓発ポスターの掲示、啓発物資の配布協力など、詳細は以下のページをご参照ください。
▼ おすそわけ以外で関われること
https://otera-oyatsu.club/temple-regist-2000/#other
「たよってうれしい、たよられてうれしい。」社会の創出のため、皆さまのご協力をお願いいたします。