
認定NPO法人おてらおやつクラブは、2025年6月5日(木)にオンラインにて2024年度通常総会を開催いたしました。
総会では、各担当理事より前年度の事業報告および会計報告が行われ、併せて監事である溝渕氏より監査報告が提出されました。これにより、私たちの活動が透明性をもって適正に運営されていることが確認されました。

また理事や監事の再任も承認され、新たな年度に向けての体制が整いました。
代表理事 松島靖朗
理事 岡本拓也
理事 桂 浄薫
理事 髙山信雄
理事 野田芳樹
理事 福井良應
理事 松野尾浩慈
監事 溝渕雅男
2024年度は、子どもの貧困問題に取り組む他の支援団体との連携を積極的に進めた結果、連携する団体数は前年比114.7%の936団体に増加しました。また、支援を受ける生活困窮家庭(以下、直接支援世帯)も前年比148.6%の16,570世帯にのぼっています。
こうした草の根の広がりと、地道な支援・共感の積み重ねにもかかわらず、受取寄付金は前年比69.3%の総額49,878,702円にとどまりました。大幅な赤字へと転落する結果となりましたが、活動の広がりと比例して支出も増えたことが要因と考えられます。
それでも、「たすけて」の声がやむことはありません。おてらおやつクラブとして活動のインパクトを落とさぬよう、何ができるのかを考え続けた一年でした。詳しくは2024年度インパクトレポートをご参照ください。
▼2024年度インパクトレポート
【草の根で広がる「おてらおやつクラブ」。地道に支援を集めるも、大幅な赤字転落へ。】
https://note.com/oteraoyatsu_club/n/n0caa58ac7184
こうした課題も踏まえつつ、各事業の担当者から2025年度の活動計画を報告しました。
■ ⽣活困窮世帯に対する⾷料品・⽇⽤品等物資の配給事業
2025年度末までに、21,000世帯・1,100団体・2,298カ寺の登録体制を目指し、支援の輪を広げます。夏・冬の長期休暇にあわせ、5,000世帯へのおすそわけも予定しています。
今年度は、予算管理と効率化に重点を置き、家庭支援では箱あたりの支出調整、団体支援では寺院からの手渡し・持ち込みを促進。発送協力は「1箱からOK」とし、参加しやすい仕組みを整えます。また、“地産地消”型のおすそわけを広げ、地域内で支援がめぐる持続可能なモデルを育てていきます。
■ ひとり親家庭等の経済的⾃⽴や⼦どもの貧困問題に関する啓発事業
2025年度の広報は、「支援者の心に届く、行動が生まれるおてらおやつクラブ広報へ」をスローガンに、共感から行動へつながる発信をめざします。
『てばなす』『声』は、それぞれ年間6万部配布・申込数10%増を目標に、多拠点での展開を強化していきます。冊子やWebからの相互アプローチを強化しつつ、インパクトレポートの発行を通じて、活動の成果を「見える形」で伝えていきます。
企業連携も積極的に発信し、「こんな関わり方がある」という支援の入口(関わりしろ)を示すことで、新たな仲間づくりにつなげます。
■ 学習⽀援や居場所づくり等⼦どもの発達・育成に関する事業
「子どもの居場所事業」の一つとして、事務局がある奈良県田原本町で続けてきた事業は、2025年4月より、これまで本事業を担ってきた職員の中野と地域の若者たちが設立した新団体「こども支援団体 ここいと」へとバトンを渡し、地域主導の新たなステージへと歩み出しました。おてらおやつクラブは、これまでの実践と信頼を土台に、「後援」という立場から活動を支えていきます。2025年度は、現場の主導を担う「ここいと」を後方から支援しながら、登録寺院の中でも学習支援や居場所づくりに関心のあるお寺の声を探り、担い手を育てる循環の可能性をともに模索していきます。
■ その他管理部門
2025年度、管理部門は組織運営の屋台骨として、安定した運営と法令遵守、そして働きやすい環境づくりに注力します。ガバナンス・コンプライアンス体制の強化も重点課題と認識し、規程類の整備・改訂を進め、透明性と一貫性を担保する体制を築きます。
また、2025年11月に控える認定NPO法人資格の初回更新に向けて、所轄庁との連携のもと丁寧な準備を進めてまいります。
2024年度決算の年次報告(貸借対照表・活動計算書)をWebサイトにアップしましたので、ご確認ください。
▼決算年次報告
https://otera-oyatsu.club/about/overview/
私たちはこれからも多くの方々のお力添えをいただきながら、生活に困難を抱えるひとり親家庭が、必要な支援や支援団体と安心してつながれる仕組みづくりに尽力してまいります。
ひとり親家庭のお母さん・お父さん・子どもたちにとって、日ごろから相談できる相手が複数いるということは、いざという時に助けを求めたり頼ったりできる人や場所に気づく大切なきっかけとなります。
「たよってうれしい、たよられてうれしい。」
そんな社会の実現に向けて、引き続きおてらおやつクラブを応援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。