登録家庭が25,000世帯を超えました ~大きくて、まだ小さい数字が教えてくれること~

認定NPO法人おてらおやつクラブに登録するご家庭が、25,000世帯を超えました。

25,000世帯の登録は、それだけ多くのご家庭が私たちを頼ってくださったという信頼の証です。同時にそれは、25,000のご家庭が「たすけて」と声をあげなければならない状況にあった、ということでもあります。

25,000回、「たすけて」の声があがった

困りごとを抱えていても、「助けてほしい」と誰かに伝えるのは簡単なことではありません。周りに知られたくない。自分でなんとかしなければ。そんな思いを抱えたまま、ひとりで踏ん張っている方はたくさんいます。

だから私たちは、25,000という数字を「件数」ではなく、25,000回あがった「たすけて」の声として受けとめたいと思っています。一つひとつの登録の手前には、迷いながら申込フォームを開き、それでも送信ボタンを押した誰かがいます。

おてらおやつクラブは、お寺にお供えされたものを「おすそわけ」としてお届けしています。匿名配送で直接お届けするなど、できるだけ気兼ねなく頼っていただける形を探してきました。

あるご家庭からは、こんな声が届きました。

頼れる人がいなく、孤独を感じていました。人の優しさや温かさを感じることができました。

「たすけて」と言いにくい方が、それでも声をあげられる場所であり続けてきたこと。私たちはそこにこそ、25,000という数字の意味があると考えています。

数字が語っていること

2019年度に351世帯だった登録家庭は、コロナ禍の2021年度に5,943世帯、2023年度に11,153世帯と増え続け、2025年度には20,206世帯になりました。そして2026年10月1日時点で25,023世帯。この半年だけで約4,800世帯が新たに登録しています。2025年度の1年間に増えた約3,600世帯を、わずか半年で上回るペースです。

「物価高で食費を削っていたので、とても助かりました」という声が示すように、暮らしの厳しさは増しています。登録の増え方は、私たちの活動が知られるようになった結果であると同時に、社会のなかで困りごとが広がっていることのあらわれでもあります。

おてらおやつクラブと連携協定を結ぶ奈良県天理市の世帯数は、25,377世帯(2020年国勢調査)。登録家庭とほぼ同じ数です。ひとつの市のすべての家庭に相当するご家庭が、いま、おてらおやつクラブとつながっています。2013年に奈良の一つのお寺から始まった活動は、ここまで広がりました。

そしてもう一つ、見ておきたい数字があります。全国のひとり親世帯は約134万世帯(母子世帯119.5万、父子世帯14.9万)。その貧困率は44.7%で、ほぼ2世帯に1世帯が貧困の状態にあります。単純に掛け合わせると、およそ60万世帯。25,000世帯は、そのうちの約4%にすぎません。暮らしが「苦しい」と答える母子世帯も、前回調査の75.2%から82.1%へと増えています。

出典:令和3年度全国ひとり親世帯等調査、2025(令和7)年 国民生活基礎調査(いずれも厚生労働省)
参考:「子どもの貧困率11.0%」の数字の裏で(おてらおやつクラブ、2026年7月)
https://otera-oyatsu.club/2026/07/opinion2026/

全国のひとり親家庭の、およそ54世帯に1世帯。一つの団体がつながる数としては、決して小さくありません。それでも、貧困の状態にあるご家庭全体から見れば4%ほどです。声をあげられずにいるご家庭は、きっとその何倍もいます。大きくて、まだ小さい。それが、いまの25,000という数字です。

まだ届けきれていない「たすけて」

正直にお伝えしなければならないこともあります。登録家庭が25,000世帯を超えた今も、すべてのご家庭に継続しておすそわけをお届けできているわけではありません。

2025年度には届け方を見直し、お申し込みから初回発送までの平均日数を12日にまで短縮しました。けれど、増え続ける「たすけて」に応え続けるには、全国への発送費をはじめ、多くの費用がかかります。

いま、連携協定を結ぶ奈良県天理市とともに、ふるさと納税(ガバメントクラウドファンディング)による寄付を12月31日まで受け付けています。これからも「たすけて」に応え続けるために、どうかお力をお貸しください。

▼ふるさと納税の寄付や詳細はこちら
https://otera-oyatsu.club/gcf26/blog

あなたのとなりにも

お寺さまからのおそなえが、支援団体を通じて地域の子どもたちへ届けられたり、匿名配送でご家庭へ直接届けられたり。それぞれの地域、それぞれの立場から、多くの方が「できること」で関わってくださっています。25,000の声は、こうした一つひとつのつながりによって受けとめられてきました。

25,000という数字は、遠い誰かの話に聞こえるかもしれません。けれど、そのご家庭は全国の、私たちが暮らす地域のどこかにいます。子どもの同級生の家庭かもしれないし、毎朝すれ違う親子かもしれません。

「困ったときには頼ってもいい」と思える社会は、誰か一人の力ではつくれません。頼ることができた人が、困りごとが落ち着いたときには、今度は誰かを支える側になる。私たちはそんな「たよってうれしい、たよられてうれしい。」関係を、これからも広げていきたいと考えています。

この冬も、歳末たすけあい企画として、3,000世帯のご家庭に冬のおすそわけをお届けします。「たすけて」に応える輪に、みなさんも加わっていただけたらうれしいです。

ここまで活動を続けてこられたのは、日々お力添えくださっている皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。今後とも、おてらおやつクラブをどうぞよろしくお願いいたします。