おてらこども食堂の報告(2016年4月8日)

Posted on 2016年4月25日

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4月8日、お釈迦さまの誕生を祝う花まつりに「おてらこども食堂」が一日限定でオープンしました。おてらおやつクラブ事務局長の私、桂が住職を務める奈良県天理市の善福寺を会場に、花まつり兼こども食堂として開催しました。

 

こども食堂のメニューは、みんな大好きカレーライス。お釈迦さまと同じくインド生まれのカレーは、いまや日本人の国民食ともなっています。本場インドのカレーから日本人の舌に合う形に形を変えながらもそのエッセンスは変わらないカレーの成り立ちは、仏教のそれと通じています。仏教もインドから中国をへて日本へ渡り、時代や各地の影響を受けて変化しつつも、その根幹となる教えは何ら変わっていません。まさに花まつりに最適なメニューといえるでしょう。

 

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お釈迦さまにカレーをお供えし、みんなで合掌。そして花まつりとお釈迦さまとカレーのお話の後、みんなでお腹いっぱいカレーを食べました。

 

おやつはもちろん「おてらおやつクラブ」からのおすそわけ。花まつりにちなんだ「花まつりサイダー」や「花まつり飴」なども大好評、さらにバウムクーヘン博覧会の来場者の寄付によって贈られた沢山のバウムクーヘンも美味しかったです。仏前にお供えされたおやつをこどもたちが運んでくれて、参加者に配ってくれました。

 

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当日の概要は以下の通りです。

 


日時  : 2016年4月8日(金)17〜20時
参加費 : おとなもこどもも一人100円
参加人数: 48名(おとな21名、こども27名)

 

<スケジュール>
16時半 子どもが集まり始める
17時半 座敷に机や食器をみんなで並べる、お釈迦さまにカレーをお供え
18時  本堂に移動して花まつりの説明、座敷で食事スタート、おかわり多数
18時半 大体食べ終わる、その後やって来て食べる親子も2組
19時前 バウムクーヘン・花まつりサイダーをこどもたちが配る
19時半 後片付け
20時  お土産にお菓子を一つずつ持って帰宅


 

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おてらこども食堂は、おてらおやつクラブが目指す貧困問題解決のための企画の一つです。おてらおやつクラブはおやつを通して貧困状態にある親子の“孤立”を防ぐのを大きな目的としています。御礼の手紙などから実感するのは、こどもたちがお寺から届くおやつやメッセージに仏さまの見守りを感じてくれているということ。それによって、いざという時に「助けて」と声をあげてもいいんだ、と社会に信頼を寄せてほしい。今は助けを求める先は繋がりある支援団体や行政かもしれない。でも将来的にはお寺に助けを求める、そんな「駆け込み寺」になることができれば、もっと誰にとっても住みやすい世の中になるはず。その布石ともなり得るのがおてらこども食堂ではないでしょうか。お寺がもっと信頼に足る場所であること、話を聞いてもらいたい・聞いてくれる人がいるところ、と記憶の片隅に置いてもらうために、おてらこども食堂のぬくもりが果たす効果は少なくないと考えています。

 

そして大前提であり、最も大切なことですが、おてらこども食堂を通して私たちの身近なところに貧困問題があることを知ってほしい。貧困に悩む家庭があり、助けてと言えずにいるかもしれないことに気づいてもらえれば、それだけで食堂を開く意味があるでしょう。

 

今後おてらこども食堂が全国各地で開催されるかは未知数ですが、おてらおやつクラブの活動から貧困問題に意識が向くようになったお寺が自発的に手を挙げてくれることを期待しています。

 

おてらおやつクラブはあくまで支援団体の活動を後押しする「後方支援」です。お寺が貧困問題に直接的に関わるのは非常にハードルが高く、安易に始めるべきではありません。しかし、おやつを発送しながら、もっと深く貧困問題を解決するような支援をしたいという思いをお寺が抱いたとしたら、それを尊重したいと思います。そういう意味で、おてらこども食堂が貧困問題に踏み込む一つの方法であることを提案できたのではないでしょうか。

 

お寺でいただくご飯は、仏さまからお分けいただくお仏飯(ぶっぱん)。仏さまの力をかりて体を養い、心を健康にしていただく。そんな生き方を体験できる場所が「おてらこども食堂」です。引き続き応援よろしくお願いいたします。 合掌

 

(奈良県天理市 善福寺 桂 浄薫)

 

【参照】花まつり「おてらこども食堂」開店!(善福寺ホームページ)
http://zenpukuji.info/archives/1349

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古本勧進のご報告(2015年11月〜2016年3月)

Posted on 2016年4月18日

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古本勧進(ふるほんかんじん)は、全国のお寺を拠点として檀信徒のご自宅に眠る古本を集め、その買取金額を全額、おてらおやつクラブへ寄付する活動です。皆さんの大切な古本が、おてらおやつクラブを通してこどもたちの成長と未来に繋がります。

 

古本勧進は年間を通じて開催しており、いつでも古本等(CD・DVD・ゲームも可)を受け付けています。提携するパートナーの株式会社バリューブックスが、連絡すればすぐに集まった古本を集荷・査定し、買取金額をすみやかにおてらおやつクラブへ寄付してくださいます。

 

今回は2015年11月〜2016年3月までの集計結果をご報告いたします。なんと13万円以上ものご寄付となりました。ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。寄付いただいた懇志は貧困問題解決のため、大切に活用させていただきます。

 


期間  : 2015年11月1日〜2016年3月31日
参加数 : お寺 10カ寺、個人 13名
集荷数 : ダンボール 104箱、古本 4,878冊、ハガキ 678枚(年末年始は書き損じハガキも寄付になります)
寄付金額: 128,362円


 

引き続き古本勧進はずっと開催中ですので、奮って古本集めの勧進活動をしてくださいますようお願い申し上げます。古本勧進は、お供え物を「おすそわけ」する以外にもおてらおやつクラブに参加する方法の一つ。皆さんの古本の「おすそわけ」をお待ちしております。

 

<参加方法>

 

古本勧進の趣旨に賛同し、参加をご希望される方は下記の内容を記載の上、mail@otera-oyatsu.club までご連絡ください。

 


寺院名:
宗派:
氏名:
住所:〒  ○○県○○市
電話:
PCメールアドレス:
その他:企画参加にあたっての意気込みなど


 

<古本勧進の手順>

 

お寺による古本勧進
1. 参加は mail@otera-oyatsu.club へご連絡ください
2. 檀信徒や地域の方に案内するチラシなどを用意する
3. 月参りなどの際に檀信徒に古本の協力をお願いする
4. 古本を集め、お寺にストックし、ダンボールに梱包し、「贈与承諾書」に記入して同封する
5. バリューブックスに電話し、集荷依頼する

 バリューブックス 0120-826-295 に電話
 オペレーターに「お寺の未来 古本勧進の申込み」とお伝えください
 電話受付時間:月-土/10-21時 日曜は17時まで
6. 宅配業者が回収し、数日後に買取結果がお寺に届く
7. 買取金額はバリューブックスが支援団体へ直接寄付
8. 檀信徒や地域の方に御礼と報告をする
個人での古本勧進
1. 参加は mail@otera-oyatsu.club へご連絡ください
2. 古本を集めて、ダンボールに梱包する
3. 「贈与承諾書」に記入して同封する

何を通して「古本勧進」をお知りになりましたか?の質問には、ご縁のあるお寺さまがあれば「その他」にご記入ください
4. バリューブックスに電話し、集荷依頼する

 バリューブックス 0120-826-295 に電話
 オペレーターに「お寺の未来 古本勧進の申込み」とお伝えください
 電話受付時間:月-土/10-21時 日曜は17時まで
5. 宅配業者が回収し、数日後に買取結果が自宅に届く
6. 買取金額はバリューブックスが支援団体へ直接寄付

※贈与許諾書はこちらからダウンロードしてご利用ください → 贈与許諾書

 

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最後に、古本勧進に参加してくださった方からの声と、この時期におてらおやつクラブによっておやつを受け取ったお母さんの声を紹介します。おやつと共に皆さんのあたたかいお気持ちが届いています。引き続きのご協力よろしくお願いいたします。 合掌

 

<古本勧進への参加者の声>

 

・私自身母子家庭で一人息子を育て上げましたので、少しでもお役に立てましたらと思います。
実家は真宗大谷派です。昨年祖母の葬式を私が中心となって出したおりに、いろいろお世話になり、改めて仏教徒である自分を意識いたしました。

 

・喪中の葉書を印刷したものの、出すことができなかったものが30枚ほどあります。
もしよろしければ送らせていただけませんでしょうか。

 

・子どもの成長に伴い、読まなくなった本が出始めました。
僅かではありますが、どなたかのお役に立てると本も喜ぶと思います。

 

<お母さんの声>

 

・おはようございます。先日おやつ届きました。有難うございます!
今年は長男の受験と三男の小学校入学が重なりバタバタしています。
そんな中みんなでおやつを頂くとホッとします。
子供達の喜んでいる顔に癒やされています。

 

・今年一年、本当にお世話になりました。
助けられ、支えていただき、伝えても伝えきれない程の感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます!

 

・こんばんは。先ほど宅配便届きました!いつも有難うございます♪
子供達も楽しみにしていて、とても喜んでいます。
生活は大変ですが、お陰様でみんなで笑顔で過ごす事が出来ています。
楽しみがあると嬉しいです(笑)

 

・箱を開けた瞬間に、
小さな色紙に綺麗な千代紙のお雛様が見え、
その心遣いに心が温まりました。
娘と2人、わーきゃー言いながら
入っている品々を出していきました。
八つ橋や宮崎のマンゴープリンと
旅行のお土産のようなものが入っており
それもまた楽しみの一つだな♪と嬉しく思いました。

2人ではとても食べきれない量で
近所のシングルマザー友達にも配り
子供達の笑顔に嬉しくなりました!
本当にこのようなすばらしい活動を始めて下さり
私達親子にもおすそわけ頂き本当にありがとうございます!!

シングルマザーになってからは、
ひとり親と言うだけで「かわいそう」と言われることが多く
胸を痛めることが多かったです。
しかし、私は周囲にすごく恵まれており
シングルマザーだからこそ!!
たくさんの人に支えて頂き、娘に愛情を注いで頂き
幸せだと感じることが増えてきました。
おてらおやつクラブの方からの最初のメールにも
気遣われている優しさを感じ
箱を開けてお雛様を見た瞬間にも
誰かに思ってもらえているという暖かさを感じ
入っていたもの以上のモノを受け取りました。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。
そして、私達も微力ながらお手伝い出来ることがあれば
力になりたいと思っております。
本当にありがとうございます。

 

(奈良県天理市 善福寺 桂 浄薫)

説明会@名古屋のご報告(2016年3月28日)

Posted on 2016年4月6日

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先日3月28日に、名古屋市昭和区の曹洞宗・宝珠院さまにて、おてらおやつクラブの説明会を実施いたしました。当日は、以下のような流れで進行しました。

 

◆おてらおやつクラブとは?(スライドを使っての説明)
◆活動報告(宝珠院副住職・多賀宗恵さんより)
◆おやつ発送体験(お勤め→賞味期限・ジャンル分け→メッセージ記入→梱包)
◆感想シェア(茶話会)

 

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計25名の方に足を運んでいただき、発送体験では実際に4つの団体さまにおやつを中心とした食料品をお送りすることができました。

 

実は今回2人の小さなお子さんも来てくれ、発送をお手伝いしてくれたのですが… 作業中、こんなエピソードがありました。

 

2人ともおせんべいやクッキー、ポテトチップスなどなど、見たことのないようなたくさんのお菓子を目の前にして、少々興奮している様子。一人の男の子はお母さんに「ねぇねぇママー、おやつまだー?」としきりに聞いていて、もう一人の女の子は対照的に何も言わず、指をくわえてじぃーっとおやつの山を見つめていました。

 

その様子を見たとあるお坊さんが、「お手伝いしてくれてありがとう、飴ちゃんだよー!」とキャンディを手渡すと、2人とも満面の笑みを浮かべ、声をそろえて「ありがとー!!」と大喜び。早速包みを開けて、おいしそうにキャンディをほおばっていました。

 

その様子を目の当たりにして、「小さな子にとって、おやつをもらうということはそんなに嬉しいことなのか…」と改めて強く認識するとともに、子どもの元気いっぱいの「ありがとー!!」ほどまじりっけがなく、清々しいものはないなぁと、そんなことを感じさせてくれる一コマでした。

 

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発送体験後の感想シェアの場では、

 

「例年ある時期になると過多になるお供えをどうしようか頭を抱えていた。こういった形でお手伝いできるならこちらもありがたい。」

「宗派を超えて活動でき、いろいろな考え方に触れられて視野が広がる。」

「社会問題に取り組んでいるお坊さんがいるということを今まで知らなかった。これからお寺さんと協働の道を模索していきたい。」

 

などのお声をいただきました。お茶を飲み、お菓子を食べながら、その他にも色々なことをざっくばらんに語りあい、互いの「想い」が響きあう朗らかな空間となりました。

 

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ここに改めて、参加してくださった皆さま、会場となることを快く引き受けてくださった宝珠院さまに、心より感謝申し上げます。

 

説明会はこれまでに各所で何度か実施してまいりましたが、説明会を通じてのおてらおやつクラブとしての何よりの収穫は、「活動を知っていただける」という単なる事実のみでなく、参加してくださった方たちと新たなご縁を結び、これから先の活動をより豊かにしていけることだと思っています。

 

今後も全国各地で説明会を実施していきたいと、鋭意計画しております。随時ホームページやfacebookページなどで告知していきますので、ぜひチェックしてみてください。

 

大勢のこどもさんたちの笑顔のために、ご理解・ご参加・ご協力をいただき、仲間になってくださる人が増えたら、こんなに嬉しいことはありません。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

合掌

(文・林昌寺副住職 野田 芳樹)

 

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「おやつ小町」増殖計画!?

Posted on 2016年4月4日

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「おてらおやつクラブ」といえば、「お坊さん」だけで活動している、と思われるかもしれません。けれども多くの一般の方も賛同し、活動してくださるお方も多くおられます。

 

愛知県名古屋市中区の久遠寺では、毎月一回の定例でお下がりの集荷配送を実施し、多数のお坊さんと一般の方が参加してくださいます。今日ご紹介したい人は、お坊さんではなく、一般の方からの参加者である伊藤 妙(たえ)さん。通称「おやつ小町」と皆に親しまれています。

 

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「おやつ小町」さんは、東海圏でおてらおやつクラブが本格的に始動した2015年6月から毎月欠かさず参加してくださっています。今では2015年12月より集荷配送定例化がスタートした愛知県春日井市の林昌寺にも参加し、東海圏の会所二ヶ寺を行脚しながら、おてらおやつクラブの活動を支えてくれています。

 

そんな「おやつ小町」さん、ただ活動に参加するだけではありません。

お下がりの賞味期限管理、ジャンル分け、作業後の片付け(ゴミの分別など)、茶話会の準備から片付けまで手掛けてくれ、どのお坊さんたちよりもお下がりの状態を把握し、支援先に一番安心できる状態でおすそ分け出来るお膳立てを全てこなしてくれます。時には、お坊さんたちに指示を出し、手順を教える場面も。

久遠寺・林昌寺ともに「おやつ小町」さんの存在が大きく、もし彼女がいないとお坊さんたちの作業循環が滞ってしまうこと確実なのです。

 

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そんな素敵なおやつ小町さんに「なぜこんなに積極的に関われるのですか?」と尋ねたことがあります。そうすると「おやつ小町」さん、こう答えてくれました。

 
「こどもたちの笑顔のためですもの。でも私がこうして関われるのは、大好きなお寺で作業できるから、また、一般人の私を同じ志を持つ者として分け隔てなく受け入れるだけでなく、頼りにしてくださるお坊様方がいらっしゃるからです。おやつを通して、お坊様やおやつくらぶに関わる多くの方の気持ちを子供たちに伝えられたらいいなと思いながら作業しています。」

 

なんと「子どもたちの為」となる活動が、自分の喜びになっている。自身の喜びが、子どもたちの為となる活動を支えている。素晴らしい答えを頂戴しました。ですから、「おやつ小町」さんがいてくれると場が明るくなります。

 

「この団体さんは、小さなお子さんが多いから、このお下がりがきっと喜ばれるわ!!」
「一人でも多くの子どもたちの手に渡るようクリスマス仕様のお菓子を小分けにして詰めてきたよ!!」
「来月作業がしやすいようにお下がりのジャンル分けしておいたよ!!」
「私はお坊様に囲まれているディープな世界(空間)が、大好きなの!」

 
いつも子どもたちや支援先、作業効率を考えながらも、それが自身の為に言われる「おやつ小町」さん。だからこそ、「おやつ小町」さんの喜びをすぐ近くで感じているお坊さんや一般の方も、作業中にもかかわらず雑談を交えて楽しい雰囲気で活動できるのだと思います。

 

皆様の周りにこんな気持ちを持たれた「おやつ小町」はおられませんか?きっとこのおてらおやつクラブに賛同し、参加したい一般の方はお見えのはず。

それは、つまり「ア・ナ・タ」です!!

 

「何かお手伝いしたい」「子どものために」そして「わたしこそおやつ小町よっ!!」とのお声を、事務局一同心よりお待ち申しあげます。

 

(文責:久遠寺副住職 高山信雄拝)