【大阪】貧困問題の勉強会&おてらおやつクラブ説明会のご報告

5月27日、大阪でおてらおやつクラブ説明会を開催しました。大阪はおてらおやつクラブが活動を始めるきっかけとなる事件が起こった場所でもあります。その事件とは2013年5月の大阪市北区、母親と当時3才の子どもがマンションの一室で餓死したとみられる事件。そのような悲劇を二度と繰り返さないために活動を始めて2年半が過ぎましたが、まだまだ貧困が原因の一つとみられる事件や事故がなくなることはありません。

貧困問題を解決するためにはお寺さまはもちろん、団体さまの協力が欠かせません。特に大阪は参加寺院に対して支援先となる団体の数が不足しています。そこで説明会の計画を呼びかけたところ、松原市の法泉寺さまが協力してくださることに。地域の事情などご相談するなかで、特に青年僧がなかなか実感することが少ない貧困問題について改めて学ぶ場にしたい、という要望がありました。ですので今回は、日々貧困の現場に立つ支援者からお話を伺い、その上でおてらおやつクラブの概要説明を聞く会にすることが決まりました。

講演は、おてらおやつクラブと連携している団体の一つ「山科醍醐こどものひろば」の村井琢哉理事長にお願いしました。講題「子どもたちとつくる貧困とひとりぼっちのないまち ー山科醍醐こどものひろばの実践から考えるー」として、そもそも貧困とは何か、そして「山科醍醐こどものひろば」が目指すことは何か、子どもと日夜関わることでしか知り得ないことをお話しいただきました。

■ 貧困問題の勉強会&おてらおやつクラブ説明会

日時:5月27日(金)15〜17時半
場所:法泉寺(浄土真宗本願寺派)〒580-0003 大阪府松原市一津屋1-13-22

15:00〜15:15 おつとめ・開会あいさつ
15:10〜16:20 村井琢哉さま講演
16:20〜16:35 休憩
16:35〜17:10 おてらおやつクラブの概要説明
17:10〜17:20 梱包作業の説明
17:20〜17:30 質疑応答・閉会あいさつ

貧困問題への関心の高さや、地元の仏教会・青年会の働きかけもあり、30名以上の参加者がありました。会場となった法泉寺は、大阪市のすぐ南東に位置する松原市にあるお寺です。お寺の近くには団地が多く、大阪市内への通勤圏内で人口も多い地域。それだけ貧困状態にある家庭も多いことでしょう。

講演ではそれを実証するさまざまなデータも紹介されましたが、村井さんが力を込めて仰ったのは「(貧困率などのデータよりも)大切なのは、困っている人が身の周りに一人いるということ。それに気づけているか?が大事。数値が高いか低いかではなく、困っている一人を救えるか? を考えてほしい」ということ。私たちがどのような立場にあっても、決して忘れてはならない点だと感じました。

講演の後、おてらおやつクラブの概要と具体的な参加方法・発送方法の説明。法泉寺の恵我さんから普段の発送についてノウハウの伝授もあり、参加者はすぐにでも発送できる学びを得たことと思います。皆さまのお陰で無事に勉強会・説明会を終えることが出来ました。

説明会から数日、既に参加者から登録申し込みのメールが届いています。大阪はじめ関西の支援体制をより一層分厚くし、もっと多くの子どもたちへ「おすそわけ」を届けていきます。どうぞご協力よろしくお願いいたします。 

(文・奈良県天理市 善福寺 桂 浄薫)