「えほんの古本市」で古本勧進に協力

「おてらおやつクラブ」にご協力いただく方法の一つに、古本を送って寄付をすることができる『古本勧進(ふるほんかんじん)』があります。

古本勧進は、全国各地のお寺をご縁として、皆さんのご自宅に眠る古本を集め、その買取金額を「おてらおやつクラブ」へ寄付する活動です。皆さまの大切な古本が「おてらおやつクラブ」への支援となり、子どもたちの笑顔に繋がります。

その古本勧進へユニークな取り組みで協力くださっているのが、岐阜善光寺の松枝秀晃住職・朋子ご夫妻。「えほんの古本市」というイベントで多くの収益と古本を集めておられます。今回その松枝さんから「えほんの古本市」についてご寄稿いただきましたので、ご紹介いたします。


「善光寺阿弥陀市実行委員会」で事務局を担当しています松枝朋子(住職の妻)です。

「えほんの古本市」は今年(2018年)で3回目の開催になります。岐阜善光寺で毎月15日に行っている縁日「善光寺大門まるけ」が土日祝にあたる時に、春は「えほんの古本市」として開催させてもらっています。

岐阜善光寺の周辺は、岐阜市の中でも歴史のある城下町で比較的裕福な家庭が多く、読まなくなった絵本やサイズが合わなくなった子ども服などを、ご近所の方や友人から頂けることが私自身の経験として多くありました。

かたや同じ岐阜市でも、ひとり親家庭や経済的に困難なご家庭があります。「おてらおやつクラブ」さんとのご縁もあり、子ども食堂や学習支援センターの存在を知り、すぐ近くにも現実に貧困世帯の子どもたちがいることを知りました。

そこで、ご家庭で読まれなくなった絵本を使って子どもたちに何かできたら素敵だなと思い、「えほんの古本市」を思いつき、住職と相談しながら始めました。

古本市は、SNSやチラシを通じて絵本を募集しています。保育園や幼稚園、学校やご近所のお店などにチラシを配布しています。事前に絵本を3冊提供していただいた方には、当日お好きな絵本に交換できる「交換券」をお渡ししています。

今回集まった絵本は1,178冊。当日は9時スタートでしたが、開店前から行列が出来て、お子さま連れのお客さまで大変賑わいました。目を輝かせて嬉しそうに絵本を選ぶ子どもたちを見ていると、「また来年もやろう!」という気持ちにさせてもらいます。

757冊が新しい持ち主さんの手に渡り、売れ残った絵本はバリューブックスにて362冊買い取っていただきました。汚れがひどかった絵本等は資源分別回収で引き取っていただきました。売上金から本立てなどの備品代を除いた 69,200円 とバリューブックスでの買取額 4,576円、合計 73,776円 をおてらおやつクラブに寄付いたしました。

古本市の中で気付いたことは、絵本は1冊1冊に、子育てで大変だった頃や幼かったお子さんとの大切な思い出が沢山詰まっているものだということ。そんな大切な絵本を譲ってくださる方の気持ちを受け止めて、新しい持ち主さんの手に渡したいと思い、絵本は1冊1冊クリーニングし、お名前シールを今年は付けました。

値段設定は、小さな子どもさんでもお小遣いでも買える値段ということで1冊100円。古本市で購入した絵本をまた来年の古本市へ提供してもらえたら理想的だと考えています。

絵本を大切にする気持ちと、次の持ち主さんへの気持ちが「おてらおやつクラブ」さんへの寄付につながる、優しい気持ちの連鎖が広がればと願いながら、来年の開催へ向け、現在も岐阜善光寺では通年で絵本を募集しています。まだ課題点はありますが、大変ご好評を頂いている「えほんの古本市」。年に一回の開催を今後も続けて行けたらと考えています。

善光寺阿弥陀市実行委員会 松枝朋子