認定NPO法人おてらおやつクラブは、2023年11月〜12月の冬休み期間に、全国2,184のひとり親家庭へ各地のお寺からおすそわけを送るプロジェクト「冬のおすそわけ2023」を実施しました。
おてらおやつクラブでは、匿名で全国のひとり親家庭の自宅へ直接おすそわけを届ける取り組みをしています。今年度は、家計が苦しくなりやすい夏休み・冬休みの時期に、1年以上おすそわけを受けとっていない家庭へ希望を募り、年に1度はおすそわけが届けられるよう「夏のおすそわけ2023」・「冬のおすそわけ2023」を実施しました。
▼「夏のおすそわけ2023」に関するご報告はこちら
https://otera-oyatsu.club/2023/09/summer2023-report/
今冬、おすそわけ発送にご協力くださったお寺さまをはじめ、ご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
家庭からの声
全国のお寺さまのお力添えにより、クリスマスや冬休みの時期にあわせて年内におすそわけを届け終えることができました。
おすそわけを受けとった家庭からの喜びの声をいくつか紹介します(すべて掲載の許可を頂いています)。
これから冬休みにはいり、クリスマスや年末年越しなど行事がある中、食料支援をいただいたことは、とてもありがたく思っています。少しでも多く子供たちに食事をとらせてあげたいという気持ちとともに常に不安がつきまとっていましたが、今年は少し心にゆとりができました。余すことなく、大事に家族みんなでいただきたいと思っています。
(千葉県のお母さん/お子さん2人)
子ども達は見たことないおやつの量に大興奮でした!おやつのタワーを作っていました。早めのクリスマスプレゼントだねと喜びました♩幸せな気持ちになりました。これからのおやつの時間も楽しみになります!おすそ分けと思えない量を本当にありがとうございます。とても感謝してます。関わって下さった皆様ありがとうございます。
(福岡県のお母さん/お子さん2人)
子供達が「なに?なに?なにが届いたの?」と興味津々でした。箱を開けると子供達が大好きなお菓子がたくさん入っていて大喜び。化粧品や保湿クリームなども入っており、普段後回しになっている自分のケアが少し出来そうです。
手書きのメッセージがとても嬉しかったです。1人じゃないんだと感じました。クリスマス、年末年始と行事が続く時期は、さびしさが募ります。そんな中あたたかな贈り物がとても嬉しかったです。(神奈川県のお母さん/お子さん2人)
おすそわけが届いて箱を開けたとき、込み上げるものがあり涙が出ました。
どうしても1人で悩みがちになる日々ですが1人じゃない、と感じられて気持ちが癒されました。きっと、この先ずっとカルピスを見るたびにおすそわけを思い出すと思います。私は今、助けて欲しい立場ですが、おてらやおやつクラブさんのように、人の心を救うような仕事をしたいと強く思います。
でも、私1人の力では難しく……今回のように助けを求める事により、出会いや繋がりとなって思いを実現出来たら良いな、という思いもあります。(埼玉県のお母さん/お子さん1人)
夏のおすそわけからの進展
【抽選を行わずすべての対象家庭におすそわけ】
「夏のおすそわけ2023」の際は、すべての家庭にお届けしたい気持ちはありながらも予算や物資量のバランスを鑑み、おすそわけを届ける家庭を抽選で選定しました。夏には3,029世帯の申し込みがあり、その中から2,000世帯に絞りました。
「冬のおすそわけ」では夏に抽選に外れた家庭も含む3,560世帯へLINEで案内を送り、そのうち2,184世帯からお申し込みがありました。当初は、冬も2,000世帯を上限と考えていましたが、定員に対し184世帯を抽選せずに、今ある物資をやりくりすることで送れると判断し、抽選は行わず2,184世帯におすそわけを届けることにいたしました。
それが実現できたのは、ひとえにお寺さまの日ごろからのご協力のおかげです。
2023年度おてらおやつクラブは、
・おすそわけ発送をなるべく同一配送エリア内(ヤマト運輸が定める配送範囲)で循環させる
・段ボールのサイズに一定の基準を設ける
・団体へのおすそわけは現地まで直接持ち込む、手渡すことを推奨する
といった試みをお寺さまにお願いし、それにより配送費をなるべく低く抑える努力を続けていました。その積み重ねにより配送費にかかる予算にゆとりができ、結果として「冬のおすそわけ」で抽選を行わず、物資をやりくりするだけで全家庭へのおすそわけ発送が可能となりました。
平時より事務局からのお願いを受け入れてくださるお寺さま方に、改めて感謝申しあげます。
【すべてのおすそわけが同一配送エリア内で循環】
「夏のおすそわけ」では、提携しているヤマト運輸の定める配送エリアを越えて発送するケースがありました(例:東北のお寺から関西の家庭へ配送など)。「冬のおすそわけ」では、お寺さまのさらなるご協力により、すべての地域において、発送元も発送先も同じ配送エリア内で発送することで、最低価格で配送することができました。
その結果、1箱あたりの配送料を夏以上に抑えられ、皆さまからお預かりした寄付をより有効に活用することができるようになりました。
今後の課題
主な課題は以下の2点に集約されます。
1.おすそわけに協力いただけるお寺を増やすこと
おすそわけを発送できるお寺さまは1,443寺院でした。その中から実際に発送してくださったのは312寺院と、約22%の参加率でした。
1か寺あたりの負担を減らし無理なく活動を続けるためには、「2,000か寺が1箱ずつ送る」を目標に、おすそわけに協力してくださるお寺さまを増やしていきたいと考えています。
すでにご参加のお寺さまには、ご縁あるお寺さまに協力のお声掛けをしていただきながら、引き続き無理のない範囲でのお力添えをよろしくお願いいたします。
「冬のおすそわけ」では、特に四国・関東の地域で配送がなかなかはかどりませんでした。今後、四国や関東をはじめとするおすそわけの循環が滞る傾向にある地域へ職員や理事が出向し、活動説明会を開いていっそう多くのお寺さまに関わっていただけるようつとめます。
2024年3月4日(月)には、東京港区の増上寺さまをお借りして説明会を開きますので、関心のある方はぜひご参加ください。
▼お申し込みはこちら
https://forms.gle/XmHRhX8jGtSqwqi76
2.おすそわけ発送の安定財源を確保すること
「夏のおすそわけ」「冬のおすそわけ」は、2023年春に実施したクラウドファンディングのご寄付を活用しました。
*クラウドファンディングの詳細は、関西テレビサイト「ぷらす8゛(エイド)」やブログ記事「クラウドファンディングのご報告とお礼」をご確認ください。
282人の方からお預かりした3,964,000円により、夏・冬あわせて4,835世帯におすそわけをお届けすることができました(一部、自主財源も利用)。
数年ぶりにおすそわけを受け取ったというご家庭も多く、「久しぶりのおすそわけがうれしかった」といった旨の声も多く寄せられました。誰かとのつながりにホッとしてもらえるよう、おすそわけの支援を2024年も実施したいと考えています。
そのためには、皆さまからの継続的なご寄付が何よりの支えとなります。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
▼マンスリーサポーターについての詳細はこちら
https://otera-oyatsu.club/monthly/
*単発のご寄付も常時受け付けております
https://otera-oyatsu.club/donate/
今年はおてらおやつクラブが生まれて10年が経ちました。
これまでの10年間でできたつながりや知見をもとに、これからの10年もいっそう子どもたちが笑顔になるように尽力します。今年も変わらぬお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。