「夏のおすそわけ2023」のご報告とお礼

家計がひっ迫しやすい夏休み期間中、全国2,000のひとり親家庭に「おすそわけ」を届けるプロジェクト「夏のおすそわけ2023」。おかげさまで、対象のご家庭すべてにおすそわけをお届けすることができました!

ご協力いただいた全国各地のお寺さまをはじめ、寄付や寄贈、ボランティアなどでお支えくださった皆さまに心からお礼申し上げます。

ご家庭からの「声」

おすそわけを受けとったご家庭からの声を以下にいくつかご紹介します(すべて許可を頂いています)。

ワクワクしながら子どもと開けました。夏休みのお昼ごはんに助かるものばかり、普段自分になかなかお金をかけれない美容品なども入っており、子どもも私も笑顔が溢れました!夏休みを乗り切れそうです。
(福岡県のお母さん/お子さん2人)

夏休みもはじまり、生活が苦しくなってる中で助かりました。8月は児童扶養手当や児童手当がなく、それに向けてどう切り詰めていくかが毎日の悩みです。
嬉しそうにお菓子をわけあっている子供達を見て癒されました。おすそわけ下さったお寺の方、丁寧に荷詰めして下さったボランティアの方、また運営の方 皆様もお身体、ご自愛ください。
私達もがんばります。
(大阪府のお母さん/お子さん4人)

ダンボールにぎっしり詰まった食べ物を見て、子どもたちが興奮していました。
まだ、与えていただくことしか出来ない立場ですが、いつか与える側に回りたいと思いました。子どもたちの笑顔のおかげです。
(愛知県のお父さん/お子さん2人)

このような喜びの声が他にも多数寄せられています。ひとえに皆さまのお力添えの賜物と心からうれしく思っています。

「夏のおすそわけ2023」の背景と意義

今回、「夏のおすそわけ2023」と銘打ってプロジェクトを立てたのには大きく2つの背景がありました。

1つは、この数年にわたるコロナ禍・物価高騰などの影響で「助けて」の声が急増し、おてらおやつクラブの財政状況が切迫したことがあります。継続的におすわけをしたくとも、その配送費が工面しきれない状況が今なお続いています。

そこで、2,000世帯という上限をあらかじめ決めることで、予算の枠組みの中で最大限できる支援の形を実現しつつ、財政状況の態勢の立て直しをはかっています。

もう1つには、上述のような背景によりご家庭からの2回目以降のおすそわけの申し込みを断らざるを得ない状況が続き、おてらおやつクラブ事務局側にもご家庭の側にも心理的な負担が大きくなっていたことが挙げられます。

「断る」ことは事務局にとっても申し訳ない気持ちが重なり、「断られる」ことはご家庭にとっても拒絶されたように感じてしまいます。上限人数を定めて応募・抽選形式にすることで、少しでも互いの心理的負担を軽減できればという想いがありました。

受けとったご家庭からは、「久しぶりのおすそわけがうれしかった」といった旨の声も多く寄せられました。

2年ぶりに、おてらおやつクラブのおすそわけを頂きました。箱を開けるわくわく感を久しぶりに感じました。
お菓子や麺など、自分では買えないものが沢山入っていてとても嬉しいです。
本当にありがとうございましたm(_ _)m!
(奈良県のお母さん/お子さん2人)

お菓子をたくさんありがとうございます。
お米も入っていて、夏休みは毎日お弁当を作らなければならないので助かりました。
普段は買わないジュースも、娘と暑い日に分けて飲みました。
久しぶりにおすそ分けをいただき、少し気持ちがホッとしました。ありがとうございます。
(北海道のお母さん/お子さん1人)

この度はおすそ分け有難うございましたm(*_ _)m
とても久しぶりに届き親子共々とても嬉しかったです!中身も食品、デザート、日用品、非常食など色々入っており実用的で助かります。おやつクラブはとても人気があり次も当分先なのかなと思うとちょっぴり寂しいですがまた楽しみにしています。
(岡山県のお母さん/お子さん2人)

今回、お母さん・お父さんからの相談時に「久々に連絡がきて嬉しかった」とのお声もありました。事前に抽選である(=外れる可能性もある)ことをお伝えしたうえで申し込みいただいたからこそ、事務局側もお断りする忍びなさが減り、お互いに傷つくことが少なかったように思います。

「外れたことによる『ガッカリ感』はあったものの、これまでの『断られたことによる落胆』はさほど強くなく、むしろ久しぶりに連絡が来たことがうれしかった」という趣意が読み取れるメッセージが多く、私たちとしても昨年度の取り組みを活かすことができたと考えています。

プロジェクト形式にしたことにより、ご家庭にもおてらおやつクラブにも双方にメリットのある形となったことは大きな意義と考えます。

浮き彫りになった課題

一方、今回のプロジェクトを実行する中でさまざまな課題・反省点もみつかりました。主な課題は以下の3点に集約されます。

1.おすそわけを届けられないご家庭があった
予算の兼ねあいで「2,000世帯」という上限を設けざるを得ず、おすそわけをお届けできなかったご家庭がありました。「夏のおすそわけ2023」は、2022年9月30日から1度もおすそわけを受け取っていないひとり親家庭に希望を募って実施したプロジェクトです。対象の4,661世帯にLINEでご案内し、3,029世帯から申し込みがありました。その内、各地域ごとに抽選を行い2,000世帯に絞りました。中には「抽選に外れて残念だった」「見放された気持ちになった」というお声も聞こえてきました。

そのようなお気持ちを十分に汲み取ったうえで、今回発送できなかった約1,000世帯には、冬休み期間に予定している同様のプロジェクト「冬のおすそわけ2023」の際にも案内し、優先的におすそわけをお届けします。


2.お米や果物の一部が傷んでしまった
夏の暑さにより一部お米や果物が傷んでしまい、受けとった方をがっかりさせてしまうことがありました。夏場は特にお米・青果類は細心の注意を払って確認・梱包のうえでお送りいただくよう、今後はいっそうしっかりとお伝えしていきます。

また、今回初めておてらおやつクラブの活動に参加されたお寺さまにおすそわけの詳細を十分に伝えきれず、賞味期限の記載のないものや賞味期限切れのもの、お盆飾りなどが届き、ご家庭を困惑させてしまった例もありました。「何を送れば喜ばれるか?」反対に「何を送ったら相手が困るか?」、相手の姿を想像しながらおすそわけができるよう、事務局からお寺さまや寄贈いただく皆さまに引き続き周知していきます


3.一部のお寺に配送が集中して多くのお寺に分散しきれなかった
一部のお寺におすそわけ配送が集中しており、配送の分散をまだまだ進めなければならないことが浮き彫りになりました。今回のプロジェクトを機に、浄土宗や臨済宗妙心寺派からの広報物に「夏のおすそわけ2023」のチラシを同梱したり、未参加のお寺さまに各職員・理事メンバーが個別にプロジェクト趣旨を伝えて協力を仰ぐなど、広報にも力を入れました。結果、プロジェクト期間中(6~8月)、63カ寺ものお寺さまが新しく活動に参加してくださいました

しかしながら、多くの新しいお寺さまにお力添えいただいたものの、全国2,000というご家庭に届けるには大量におすそわけできる一部のお寺さまに頼らざるをえない状況がありました。理想的には大量配送ができる一部のお寺さまに頼ることなく、より多くの寺院が少しずつ協力しあうことで全国のご家庭へ届けていきたいです。一部の寺院が無理することなく、広く多くのお寺さまが協力しあうことによって持続可能な負担の範囲でおすそわけを続けていければと考えています。


これら今回直面したもろもろの反省を踏まえてプロジェクトを改善し、関わる人たちがいっそう心から「うれしい」と思えるような活動に育てていきますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします。

おてらおやつクラブでは、今年の冬休み期間にも「冬のおすそわけ2023」として同じく全国2,000のひとり親家庭におすそわけを送る計画を立てています。冬は、今回お届けできなかったご家庭を優先しておすそわけします。

冬のおすそわけ実施に向け、継続的に活動を支えてくださるマンスリーサポーターを募集しています。

引き続き皆さまからのお力添えを重ねてお願いいたします。

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