認定NPO法人おてらおやつクラブは、2025年7月〜8月の夏休み期間に、全国2,500世帯のひとり親家庭へ各地のお寺からおすそわけを送るプロジェクト「夏のおすそわけ2025」を実施しました。
▼昨年の「夏のおすそわけ」に関する報告はこちら
https://otera-oyatsu.club/2024/09/summer2024-report/
おすそわけ発送にご協力くださったお寺さまをはじめ、ご寄付・ご寄贈・ボランティアでご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
家庭からの「声」
おすそわけを受けとった家庭からの喜びの声をいくつか紹介します(すべて掲載の許可を頂いています)。
今日娘の2歳の誕生日、その日に届いて本当に嬉しいです。
お米はまだまだ高くて買うのに躊躇っていたり、引っ越しで本当に経済的に苦しくなっていたので、恵みが本当に有り難いです。2歳といえど、私並みに食べるので、毎日感謝して頂きます。
(神奈川県/40代のお母さん/お子さん1人)
現在子どもたちは夏休み真っ只中。おまけに本日から三連休で、お盆。経済的に困窮しておりお出かけできず自宅で居るしかない状況の中でおてらおやつクラブさんから温かいお届けものをいただきました。
今や高級品のお米から始まり、海苔やフリーズドライのお味噌汁。果実がたくさん入ったみかんや桃のカラフルなゼリーたち。他にも段ボールにたっくさん詰め込まれておりました。お箱を開けた瞬間うれしくってありがたくって涙が溢れてしまいました。我が家にはとっても贅沢なお品ばかりの宝石箱でした。
美味しそうな食べものたちに囲まれて暑さも乗り越えられそうです。大切に大切にいただきます。
(大阪府/30代のお母さん/お子さん2人)
万博のお土産や普段買うことのできないお菓子が入っていて嬉しかったです。
お米もなかなか買えないので、パックご飯が入っていたのも助かりました。少しずついただこうと思います。
年に1度の支援が心の支えになっています。寄付をしてくださる方、支援してくださる方には感謝しかありません。
(奈良県/30代のお母さん/お子さん1人)
特に今年は、物価高やお米の価格高騰に悩むご家庭から「お米が入っていて助かった」という声が目立ちました。給食がない夏休みはお米の消費が増える時期でもあり、皆さまからのご寄贈が大きな安心につながりました。


夏のおすそわけを3年継続して見えてきた課題
「夏のおすそわけ」は、1年以上支援を受けていない家庭に年1度はおすそわけを届けられるようにと、2023年から続けている取り組みです。その中で見えてきた主な課題は以下の2点に集約されます。
1.おてらおやつクラブにつながる家庭の増加
■2023年:対象4,661世帯のうち3,029世帯が申込、2,002世帯に抽選でお届け
■2024年:対象4,055世帯のうち2,605世帯が申込、全申込家庭にお届け
■2025年:対象7,188世帯のうち4,219世帯が申込、2,500世帯に抽選でお届け
2023年は、予算や物資量の都合から、すべての家庭に届けることはできず、「抽選に外れて残念だった」「見放された気持ちになった」といった声も事務局に届き、おすそわけを送れなかった家庭の存在が課題として浮き彫りになりました。
その反省を生かし、2024年は希望されたすべての世帯に届けることを目標にクラウドファンディングを実施しました。皆さまからのご寄付のおかげで、抽選を行わずにすべての申込家庭へおすそわけを届けられました。

2025年、再度抽選を実施したことには理由があります。
おてらおやつクラブに登録する家庭数は年々増加しており、24年末時点で16,570世帯となりました(前年比148.6%)。

つまり、「夏のおすそわけ」の対象となる家庭も年々増え続けていることを意味します。
多くの方々から寄付や物資のご協力をいただき、全国のお寺さまにも発送を支えていただいています。それでも、増え続ける家庭の数に対しては、十分に応えきれていないのが現状です。
今後、「夏のおすそわけ」で1世帯でも多くのご家庭にお届けできるようにするために一番良い方法は何か、事務局でも再検討していきたいと思います。
2.発送寺院数の減少とエリア外配送の増加
発送を担うお寺さまは257か寺と多くのご協力をいただきましたが、参加寺院数は減少傾向にあり、1寺院あたりの負担が増しています。同じ地域内での発送を完結できず、他地域のお寺さまによる発送のサポート「エリア外配送(*)」が必要なケースも見られました。
*「エリア」とは、ヤマト運輸の配送区分に基づいた地域単位(北東北、東海、四国、九州など)を指します。お寺さまの所在エリア以外へ発送する「エリア外配送」となると、配送料が上乗せとなり、発送にかかる負担が大きくなります。
■2023年:北東北エリアのみ、他エリアからのサポートあり
■2024年:すべて同一エリア内で循環・完結
■2025年:北東北・関東・北陸エリアで、他エリアからのサポートが必要に

今後はより多くのお寺さまに参加いただくことで、1寺院あたりの負担を減らし、無理なく継続的におすそわけを届けられる体制を整えていくことが大切です。
また、できる限り同一エリア内で配送が循環するように工夫することで、地域内での共助が進み、配送費用の削減にもつながります。
引き続き、お寺さまに発送のご協力をお願いしつつ、無理のない形で参加いただける仕組みづくりと、おすそわけ発送数について検討していきたいと考えています。
これからの取り組み
「夏のおすそわけ」は無事に終了しましたが、今年の冬休みには「冬のおすそわけ」を予定しています。
しかし、「夏のおすそわけ」と同様に希望されたすべての家庭に届けることは難しい見込みです。
2024年度の寄付収入は前年の約7割にとどまり、大きな赤字に転じました。活動を続けるためには、より多くの方々のご支援が欠かせません。
子どもたちに「おすそわけ」をお届けするために、継続寄付や都度寄付での応援をよろしくお願いいたします。
▼ご寄付はこちらから
https://otera-oyatsu.club/donate/
また、10月よりふるさと納税型クラウドファンディングを実施し、目標1,250万円のご支援を募ります。頂いた寄付は配送料など活動の基盤を支える運営資金として活用します。
「どこかでだれかが見守っている」——子どもたちに「ひとりじゃない」という安心を届けるために、皆さまのお力をどうかお貸しください。