ロバート・キャンベルさんとのご縁 ━━「社会の、やさしい修復」としてのおてらおやつクラブ

先日、認定NPO法人おてらおやつクラブは、社会貢献支援財団「社会貢献者表彰」を受賞しました。
その表彰式で、一人の方とのご縁をいただきました。
日本文学研究者であり、さまざまなメディアでも多方面で活躍されているロバート・キャンベルさんです。
表彰式の中で、理事の野田・職員の小川からご挨拶をさせていただいたところ、その日の夜、思いがけずキャンベルさんご本人からお電話をいただきました。

おてらおやつクラブの活動に注目していました。ラジオで紹介したいので、もっと詳しくお話を聞かせてもらえませんか。

突然のお電話に驚きながらも、翌日Zoomでお話しすることになりました。

「修復」というテーマとおてらおやつクラブ

取材の趣旨は、キャンベルさんが出演されている文化放送『武田砂鉄 ラジオマガジン』内のコーナー「ロバキャンのカーゴパンツ・ダイアリー」でおてらおやつクラブの活動を紹介したい、というもの。その週のテーマを「修復」と考えておられたそうです。

きっかけは、壊れたものを刺繍によって新たな作品へと生まれ変わらせるアーティスト・竹村京さんとの対話だったとのこと。

ものを修復するだけではない。

傷ついた関係や、見えなくなってしまったもの、社会の中で遠ざけられてしまったものを、もう一度手元に引き寄せ、丁寧にケアしていく──そんな広い意味の「修復」に思考を巡らせる中で、偶然にもおてらおやつクラブに出会い「この活動は社会を修復している、という文脈で語ることができるのではないか」という思いにいたり、「ぜひ紹介したい」と声をかけてくださったそうです。

印象に残った言葉

Zoomでは約1時間にわたり、活動のことやお寺の文化のこと、「子どもの貧困問題」の現状などについて対話しました。

その中で、キャンベルさんが特に関心を寄せてくださったのが、おてらおやつクラブの「匿名配送」の仕組みでした。

「困っていることを知られたくない。」 

「窓口へ行くこと自体が大きなハードルになる。」

そんな日本社会の現実に寄り添いながら、安心して「たすけて」と声をあげられる仕組みをつくってきたことに深く共感してくださいました。

また、お寺で行っている発送作業には、檀家さんだけでなく地域のボランティアさんや高校生・大学生が集い、「ここに来ると誰かと話せるのが楽しい」と話してくださることをお伝えすると、

それはまさに“Weak Ties(緩やかなつながり)”ですね。現代社会において、とても大切なことだと思います。

と、新しい視点から言葉を添えてくださいました。

私たちが日々積み重ねている営みをそのような言葉で表現していただいたことは、とてもうれしく、印象深い出来事でした。

「社会の、やさしい修復」

そして実際のラジオ放送では、おてらおやつクラブの活動を「社会の、やさしい修復」という文脈で紹介してくださいました。

私たちはこれまで、お寺にお供えされた「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」としていただき、支援を必要とするご家庭へ「おすそわけ」してきました。届けているのは、お菓子や食品、日用品などですが、活動の内実はそれだけではありません。活動を通してつなぎ直しているのは、人と人、人と地域、人と社会との関係です。

困っていても「たすけて」となかなか言えず、周囲から孤立してしまう人がいます。そこでおてらおやつクラブでは、周囲に知られることなく支援を受けられる匿名配送の仕組みを整え、まず声をあげてくれたことを大切にしてきました。

一方お寺では、地域の方々が発送作業に集まってくださることもあります。誰かのために手を動かしながら、「ここに来れば誰かと会える」「話ができて晴れやかな気持ちになれる」という、緩やかでありながら豊かなつながりも各地で生まれています。キャンベルさんは、これを「Weak Ties」と表現してくださいました。

支援を必要とする人と社会との距離、お寺と地域との距離、そして「支援する人」と「支援される人」の間にある隔たりを、無理なく、少しずつつなぎ直していく。

「社会の、やさしい修復」とご紹介いただいたことによって、私たち自身も十分に言葉にできていなかった活動の姿を、改めて垣間見たように感じています。

放送はポッドキャストでアップされていますので、ぜひお聴きいただけましたら幸いです。

▼「修復」と「おすそわけ」-竹村京のアート作品と「おてらおやつクラブ」/ロバキャンの「カーゴパンツ・ダイアリー」#13


改めまして、このようなご縁をつないでくださった社会貢献支援財団の皆さま、そして活動に心を寄せてくださったロバート・キャンベルさんに、心より感謝申し上げます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。「たよってうれしい、たよられてうれしい。」そんなおてらおやつクラブが大切にする共助の輪を支えていただければ幸いです。

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