
おてらおやつクラブでは、2022年から株式会社フェリシモと協働し、「みんなでおそなえギフト」プロジェクトを実施しています。
この取り組みは、フェリシモのお客さまやおてらおやつクラブの応援者が「おそなえ」を一口100円(+税)から共同で購入できる仕組みで、金額が8,000円に達するごとにお菓子やお米、レトルト食品などの詰め合わせ1箱分がお寺に「おそなえ」されます。
その後、お寺で読経したのち仏さまの「おさがり」として全国の困りごとを抱えるひとり親家庭へ「おすそわけ」します。
「みんなでおそなえギフト」を受け取った家庭からの声(2025年4月受け取り)
玄関に荷物が届いて開けるのが楽しみな娘。開けた時の娘の嬉しそうな顔、普段お菓子もあげる余裕もなく、『お菓子とゼリーが入ってる!』『明日もおやつ食べれる!』『カレーうどん一緒に作って食べよう!』と娘の嬉しそうな姿。日々の疲れと時間に追われる中での娘との団欒。この繋がりに感謝です。たくさんの方々のおかげで、娘の笑顔が見れました。明日から頑張る糧ができました。ありがとうございました。
(福井県/40代のお母さん/お子さん3人)
一つ一つ、優しさが込められてるように感じて、なぜか涙が出ました。
色んな種類がいっぱいでした。
そして今すごく高いお米。
子供達は成長期ですごくお米を消費しますのでとても嬉しかったです。
(福岡県/30代のお母さん/お子さん2人)
全国各地さまざまなお寺におそなえされる「おそなえギフト」。
今回は、京都市左京区にある「浄土宗大本山 くろ谷 金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)」での読経の様子を紹介します。
金戒光明寺は「浄土宗の始まりの寺」と言われています。1175年に法然上人がお念仏の教えを広めるため、比叡山を下りて最初に草庵を建てたことに由来します。法然上人が亡くなられた後に「光明寺」というお寺となり、その後、当山8世運空上人から後光厳天皇が受戒をされ叡信のあまり戒の名「金剛宝戒(こんごうほうかい)」の「金と戒」を勅命でお寺の名前につけるよう言われたことから「金戒光明寺」と呼ばれるようになりました。法然上人が修行していた黒谷に由来して、地元の方からは「くろ谷さん」という愛称で親しまれています。

御影堂(みえいどう)。内陣正面には法然上人75歳の御影(座像)を奉安してあります。

五劫思惟(ごこうしゆい)阿弥陀仏。「アフロ仏」と呼ばれることもあります。

山門。「浄土真宗最初門」とは「浄土宗の真のはじまりの場所」との意味。
たくさんの方の想いが詰まった「おそなえギフト」を御影堂の吉備観音の前にお供えし、読経をしていただきました。吉備観音は、奈良時代に吉備真備唐より持ち帰った香木からなる千手観音の呼び名で、重要文化財にも認定されています。
読経後の「おそなえギフト」は困りごとを抱えるひとり親家庭の子どもたちのもとへ「おすそわけ」していきます。

読経してくださった金戒光明寺 執事長 橋本周現さまより、メッセージをいただきました。

私は保護司をしていたり、学校との関わりがあったりと、それらの関わりの中で貧困問題に触れることがあります。貧困の原因は働かないからだと言う人もいますがそうではありません。病気やいろんな事情が重なって、どうしようもなくなって貧困状態になるのだと思います。
困っている人のために何ができるかを考えるには、困っているご本人の声を聴くことが一番だと思います。人はなかなか心を開いてくれないので、まずはこの人なら話せるという安心感を持ってもらうことも大事です。
また、困っている人ほど、支援を受けることをためらう方も多いです。恵んでもらったり、おこぼれをもらうように感じとられる方がいます。困っている人が支援を受けるハードルをいかに下げていくかを考えないといけません。
「たすけて」と言えない人が一番困っています。そのような人に手を差し伸べる方法を考えていくことが大切だと思います。
「たすけて」と声をあげづらい方と、つながる工夫を考える必要性をあらためて考える機会となりました。また同時に「たすけて」と声をあげてくださった方に応えることができる仕組みづくりも整える必要があります。ひとりでも多くの「たすけて」の声に応えていくために、今後も活動を継続していきます。
ご協力いただいた金戒光明寺さまに心からお礼申し上げます。
たくさんの方の想いが詰まった「おそなえギフト」を一箱でも多くお届けできるよう、今後も皆さまのお気持ちをお待ちしています。