ヤマト運輸さまと物流システムの実証実験を始めます

認定NPO法人おてらおやつクラブは、支援を必要とするより多くの家庭へ「おすそわけ」をお届けするため、ヤマト運輸株式会社さまと連携し、業務改善のための実証実験を始めます。
今回の実証実験では、事務局のある奈良県を中心に、複数地域の賛同寺院さまのご協力の下、新システム(後述)を活用した「おすそわけ」配送を行います。稼働時期は2021年3月を予定しています。

〈実証実験の背景〉
2019年度国民生活基礎調査(厚生労働省)によれば、現在母子のみで生活する世帯は約64万世帯、そのうち48%にあたる約31万世帯が生活に困窮しているといいます。
おてらおやつクラブでは、全国のお寺と支援団体のご協力のもと、生活に困窮するひとり親家庭へ「おすそわけ」を届けています。そうした中、奈良県にある事務局には、さまざまな事情でお困りのひとり親家庭から日々、支援要請が届きます。コロナ禍と呼ばれる状況になってからは、その数はより急激に増えています。現在、事務局では1,177世帯(2020年12月末時点)のひとり親家庭とつながり、全国からご寄贈いただいた日用品や食品を「おすそわけ」としてお送りしています。ところが事業の急拡大により、「おすそわけ」をお届けするために必要な事務作業や頂いたご寄贈品の管理・検品などの物流業務が増加し、業務改善が必要な状況となっています。

〈実証実験の詳細〉
今回の実証実験では、2つの業務改善システムの開発をおこないます。

(1)「おすそわけ」の発送システム開発
現在おてらおやつクラブでは、「おすそわけ」を送りたいお寺さまと受け取りたい団体さまを、事務局スタッフがひとつひとつマッチングしています。マッチングの追加・変更や団体さまの活動状況の確認などに、多大な時間と労力を必要とすることが課題となっています。
今回の実証実験では、お寺さまと団体さまを自動で組み合わせ、そのとき必要なところへ迅速に「おすそわけ」を届ける機能を開発します。お寺さまの「おすそわけ」出荷から、支援団体さまの受け取りまでの事務的・経済的な負担を減らし、支援団体さまからのお礼や近況報告などの声をお寺へ届けやすくすることで、さらなる「おすそわけ」の促進を図ります。
また、クロネコヤマトAPIと連携することで、「おすそわけ」情報を蓄積し、活動成果をより正確に把握できるようになります。

(2)個人情報に配慮した匿名配送システム開発
事務局には地域の見守りにつながることができないひとり親家庭からの支援要請が増えています。現在、事務局から直接「おすそわけ」を送っていますが、事務局に集中する発送業務の負荷分散が課題となっています。
今回の実証実験では、「おすそわけ」を希望する家庭の個人情報を守る匿名配送の仕組みを導入することで、全国のお寺から家庭へ「おすそわけ」を直接届けることが可能となり、「おすそわけ」の仕組みの拡張性を高めます。

今後ともご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

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