2020年度 おてらおやつクラブ賛同寺院向け調査のご報告

認定NPO法人おてらおやつクラブは登録寺院に向けて、各寺院での活動実態と、おてらおやつクラブ事務局や支援団体との関係性を把握するために初めて調査を実施し、報告書をまとめましたのでお知らせいたします。

■調査結果サマリー
今回の調査からは、下記の4点が主なポイントとして挙げられます。

1.寺院からのおすそわけ頻度は「月に1回」が2割、「2〜3ヶ月に1回」が4割を占め、今後の活動への継続意向は9割強にのぼる。

2.寺院と支援団体との関係性は、7割強が「良好」と回答。

3.おてらおやつクラブに関わることによって、子どもの貧困問題に目が向くようになった寺院は8割弱。また、「地域を見守る目として役割を果たしたい」想いをもつ寺院も8割にのぼる。

4.おてらおやつクラブへの参加を、知り合い寺院へすすめたいお寺は8割。

▼調査報告書PDF(詳細はこちらをご覧ください)

■有識者コメント

◯釈徹宗様/浄土真宗本願寺派 如来寺住職、相愛大学副学長

おてらおやつクラブの取り組みは、”施し”のパス回しですよね。他者からのパスをキャッチして、次の他者へと心のこもったパスを出していく営みです。
他者からパスされた恵みのことを、インドの仏教用語でクリタと言います。クリタは「恩」と訳されています。パスが自分のところへやってきた喜びは、人間の生きる力と直結していると思います。
また、そのパスをきちんとキャッチすることを「知恩」(クリタジュニャ)と言うんです。日本仏教に「知恩報徳」という用語がありますよね。報徳とは、パスを周囲へと回していく意です。喜びの順送りですね。
ところで、私の知り合いに、”苦労している人”を”ケアする人”を”ケアする集い”を運営している人がいます。こちらの方は、いわば苦労のパス回しですね。
そんなふうに、喜びも苦労も順送りして、みんなでグルグル回す社会が望ましいと思うのです。
おてらおやつクラブは、そんなあり方のモデルです。日本のお寺文化を基盤として、とても豊かなつながりを提示してくれています。応援しています。

◯稲場圭信様/大阪大学大学院教授(人間科学研究科・共生学)・宗教社会学博士

認定NPO法人としての認定、おめでとうございます。高い公益性、公正性、および透明性、そして社会からの必要性、すなわち、これまでの実績が評価されてのこと。
そのことは今回の調査結果からもわかります。今後の活動への高い継続意向に加えて、寺院と支援団体との良好な関係性が明らかになりました。そして、おてらおやつクラブの活動に参画した寺院は、地域社会の課題に意識が拡がっています。
地域社会は時代ごとに様々な連携をして、飢饉、疫病、災害などに対応してきました。そこには寺院の関わりがありました。信頼、規範、お互いさまといったつながり、昨今いわれるソーシャル・キャピタル(社会関係資本)としての寺院です。寺院が、日ごろから地域の様々なアクターと連携し、多世代・多様性の地域コミュニティを再構築していく。
おてらおやつクラブは、その種まきも、そして果実も生み出しましょう。さらなる広がりに期待しています。

■代表コメント
◯松島靖朗/認定NPO法人おてらおやつクラブ代表理事

「おすそわけがまだまだ足りません」そんな支援団体さまの切実な声にどうすれば答えられるだろうか?全国のお寺さまの力を借りればなんとかなるかもしれない。「おてらおやつクラブ」の活動が始まったきっかけはそんな思いつきでした。その一方で、お寺さまに無理なお願いをしていないだろうか。見えにくい貧困問題を理解してもらえるだろうか。活動を続けていく中で、いろいろな葛藤や不安があったのも正直なところです。しかし今回、多くのお寺さまから「おてらおやつクラブ」への思いを伺って、その不安は杞憂であったことを実感しました。「おすそわけ」だけでなく、自ら積極的に地域の声に耳を傾け、自分たちにできることを広げようとしてくださっていることにこちらが励まされています。活動を初めて7年目を迎え、今年は認定NPO法人となりました。子どもの貧困問題の解決に向けて、全国のお寺さまとともに、より公益性の高い活動を進めてまいります。ぜひこれからの活動にご期待ください。

今回の調査結果をもとに、活動の見直しを始めております。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

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