2021年度 おてらおやつクラブ支援団体向け調査のご報告

特定非営利活動法人おてらおやつクラブは、登録支援団体525団体に向けて、団体の活動実態と、おてらおやつクラブやおすそわけを送付する寺院との関係性を把握するために調査を実施し、報告書をまとめましたのでお知らせいたします。

■調査結果サマリー
今回の調査からは、下記の3点が主なポイントとして挙げられます。

1.支援団体によって、受取る「おすそわけ」の量・頻度はまちまちだが、9割強の団体が「おすそわけ」に満足し、ほぼ全ての団体が今後も連携を希望している。

2.おてらおやつクラブへの登録によって、心理的に状況が改善した団体は8割強。おすそわけの活動により、寺院との交流が生まれている団体は4割弱。

3.コロナ禍による支援要請の増加で、支援団体の活動は逼迫。おてらおやつクラブからの支援による経済的な改善状況は、心理的なものに比べて効果が低減。

▼調査報告書PDF(詳細はこちらをご覧ください)

■代表コメント
認定NPO法人おてらおやつクラブ代表 松島靖朗

「おてらおやつクラブ」の活動が全国に広がっていますが、活動開始からしばらくの間、奈良のお寺から東京の団体さまに「おすそわけ」したり、北海道のお寺さまから新潟の団体さまに「おすそわけ」したりと、なんとも悩ましい状況が長く続いていました。

2016年にお寺さま、2018年には団体さまが全国すべての都道府県で一つ以上ご登録いただく状態になりました。ようやく地域のお寺さまと団体さまをお繋ぎする活動へと進んできました。

そして現在のコロナ禍、地域の団体さまへの支援要請は増大しています。そんな団体さまを支える地域のお寺さまの「おすそわけ」が今まで以上に必要なものとなっており、そして何より心強いのは、多くの団体さまや寺院さまがおすそわけを通じて様々に交流を深めてくださっていることです。

それぞれの地域で「おすそわけ」を通じたご縁が、地域に根ざした見守り、助け合いの活動へと着実に発展していくことを感じさせてくれる今回の調査でした。

■有識者コメント
認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ 赤石千衣子さま

おてらおやつクラブさんの活動にカンパイ!

2020年4月、わたしたちしんぐるまざあず・ふぉーらむにはシングルマザーからの「たすけての声」が次々届いていました。毎日毎日、メールの返信をし、食料支援を送り、希望を届け、制度につなぎ、「なんとか生き延びていって」と思って必死でした。みなさん仕事がなくなり収入が途絶え、学校や保育園が休みで働けず、明日食べるものがないという状況に追い込まれていたのです。そんなときにおてらおやつクラブさんが、うちからも食品を送りましょう!と言ってくださり、どんなにうれしく心強かったか。

今回、おてらおやつクラブの調査結果をみて、連携している団体がどこも必死でコロナ禍で大変な思いをしている子どもと家庭を支援してきたこと、おてらおやつクラブの活動がその支えになっていること、でももっともっとリソースが必要だということがわかりました。

未曽有の大災害の状況になったコロナウィルスの感染拡大下、おてらおやつクラブさんは支援団体を通じた支援だけでなく、直接支援に活動を広げられました。それは当然の流れだったのでしょう。調査結果からは、コロナが低所得層に深刻な打撃を与えていること、支援が届くことが支えになっていることがわかります。社会のインフラとして、おてらさんの強みを生かし、さらに津々浦々でひっそり暮らす大変な家庭の子どもたちに支援が届くことを願ってます。

今回の調査結果をもとに、活動の見直しを始めております。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。

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