広がる「おすそわけ」の輪 〜47都道府県の支援団体とつながりました〜

「おてらおやつクラブ」に登録いただいた支援団体の数が2018年1月末時点で、全国47都道府県325団体になりました。

2014年1月から大阪の支援団体との連携から始まった「おてらおやつクラブ」は少しずつ支援の輪を広げ、活動から4年を経て全国すべての都道府県でひとつ以上の支援団体さまとつながることができました。

「おてらおやつクラブ」にとってご縁をいただいた支援団体は、ひとり親家庭の子どもとひとり親の方々を支えるだけでなく、その声や姿を私たちに伝えてくださる大きな存在です。事務局や「おすそわけ」をお届けくださったお寺さまに、支援団体のスタッフまたはひとり親・子どもたちからお礼の手紙やメールが届くことがあります。そこには子どもたちやお母さん・お父さんたちの感謝や喜びの言葉があふれ、ありがたく拝見しています。時には悩みや苦しみも綴られています。彼女・彼らを支える支援団体さまとともに、私たちも苦しむ方々の近くで寄り添い、自分たちのできることで子どもたちを支えていこうと考えています。

「おてらおやつクラブ」に登録された支援団体がどのような支援をされているのかご紹介します。支援活動の多い順に、学習支援、子ども食堂、母子家庭支援、居場所づくり支援、母子寡婦福祉会、フードバンク、自立支援、社会福祉協議会、児童養護施設などがあります。現在325団体が登録しており、そのうち学習支援、子ども食堂、母子家庭支援が半数を占めています。全国のどこにどのような支援団体が活動しているのか気になる方は、おてらおやつクラブHPの「登録団体のご紹介」をぜひご覧ください。掲載許可を頂いた約200団体を紹介しています。

おてらおやつクラブHPの「登録団体のご紹介」
https://otera-oyatsu.club/support/introduction/

おすそわけを受け取った支援団体から、さまざまな声が届いています。

学習支援の休憩時間におやつを出しているのですが、子どもたちはその時間を楽しみにするようになりました。また学習支援そのものより、おやつの時間のおしゃべりなど、居場所的機能が強化されていると感じております。」(学習支援団体)

子ども食堂開催時、食事後にお菓子を配るようにしたら、子どもたちが茶碗洗いなどを率先して手伝ってくれるようになりました。 ひとり親家庭のお母様に、おてらおやつの賞味期限管理や配る係をお願いしております。普通のご家庭のお子さんや親子の参加もありますので、シングル家庭のみなさんを優先できるようにするため、そのようなご協力をお願いしています。結果、私たち運営スタッフも助かっております。」(子ども食堂団体)

「当団体とつながるシングルママが増えました。届けていただいた食品をお渡しするときに、悩み事の相談を受けることもあります。おすそわけをきっかけに、壁があったお母様との交流が増え、何よりこども達が心を開いてくれるスピードが速くなりました。」(母子家庭支援団体)

ひとつひとつのメッセージの中に「おてらおやつクラブ」のこれからの活動のヒントが込められています。活動趣旨に賛同するお寺が支援団体の後方支援の役割を担うことが、私たちは大切だと考えます。どういった後方支援の形がいいのか、支援団体さまとのコミュニケーションの中で常に考えています。

また、おてらおやつクラブ事務局には、お母さんたちの「助けて」という声が届きます。

「子どもへ日々の食事を食べさせるだけで精一杯です。子どもが中学卒業が近づき、児童手当の支援対象ではなくなります。今後の子どもたちとの生活が不安です。おやつを送っていただけますか。」(2児のシングルマザー)

支援団体は私たちと一緒に考えて行動してくださるひとり親家庭の心の支えとなる存在でもあります。全国に支援の輪が広がることで、「助けて」と連絡をくれるお母さん・お父さんたちと子どもたちをさまざまな専門性を持つ支援団体へとつなげるようになりました。これまでの4年間で問い合わせがあった100家庭以上に支援団体を紹介し、そのうち75家庭は支援団体におつなぎできました。しかし、まだまだお母さんたちの声に十分に応えることができる支援の輪でありません。例えば数団体しかない県もあり、ひとり親の方々へ支援団体を紹介しても距離が遠くて行けないと諦めてしまうことが少なくありません。ひとり親の皆さんが一歩踏み出してもらえるために、今後も支援の輪を丁寧に広げていきたいです。

全国の支援団体とご縁を持つことができたことで、その支援団体との関係を深めていきたいと思っています。例えば支援団体と協働で、ひとり親と子どもが支援される側から支援する側へ変わっていける仕組みを作っていくのはどうでしょうか。「おてらおやつクラブ」だけでは子どもたちとお母さん・お父さんたちへの十分な支援を決して作れません。多くの支援団体とのつながりによって、私たちの支援は作られていきます。子どもたちとお母さん・お父さんたちの未来へつながる支援を「おてらおやつクラブ」は支援団体と共に築いていきたいです。