何十年、何百年に一度の災害が毎年起こるようになってきました。しかも年に何度も。
2014年に活動を始めて以来、日本全国で地震や台風による災害被害が数多く発生し、当活動にご縁のある方々の被災報告も事務局に数多く寄せられています。最近の線状降水帯発生による豪雨災害など今この瞬間も心配な地域が多くあります。
「おてらおやつクラブ」の活動はおかげさまで全国に広がり、子どもの貧困をなんとか解決したいという心ある方々の思いとともに大きな力となってきています。
しかしながら、昨今の災害被害に対して無力感を感じる日々が続いています。災害が起こったとき、私たちはどう向き合っていくのか、問いを抱えながら活動しています。
私たちの活動は地域で活動する支援団体さまや全国各地のお寺さまと力を合わせ、さまざまな事情により生活に困っている方々へ「おすそわけ」を届ける活動です。日々の生活をサポートすることで貧困の連鎖を断ち、「子どもの貧困」をなくすことが活動の大きな目的です。
その一方で、立て続けに起こる災害に対しても何らかのお力添えができないか、事務局でも試行錯誤が始まっています。
2016年に発生した熊本地震では、九州で活動している参加寺院さまのご協力により、普段の「おすそわけ」を急遽災害支援へと振り向けて対応しました。
地震発生後まもなくして、全国のおてらおやつクラブ参加寺院さまから「被災地になにかできることはないか?」と問い合わせが届き始めました。事務局で熊本をはじめとする九州の賛同寺院の被災状況を確認。その流れから九州の寺院を中心に被災地支援としておすそわけを発送しました。地震発生後すぐは災害援助物資が必要とされますが、その後混乱が落ち着き始める頃には「おやつ」が被災された皆さまや、現地に駆けつけたボランティアの皆さまが一息入れるのに役に立ったとのお声が聞かれました。
「備えあれば憂いなし」とはいうものの、有事に備えるということはなかなか難しいものです。日常的におそなえを送る仕組みに支えられている「おてらおやつクラブ」の活動が、期せずして有事の際の素早い動きにつながり、また全国のお寺からもたくさんの応援をいただく受け皿となっています。おてらおやつクラブの活動に参加することで平時の備えが有事の力となることを実感するお寺も多くあります。
連日、自然災害が起こるたび、今回は何をすべきか?と緊急会議が開かれます。その都度の緊急支援もありますが、毎回結論として導き出されるのは、こういう事が起こることを想定して普段の活動をいかに着実に、継続できるか、ということです。そして貧困問題に直面している家庭もまた、「有事」にあるということを忘れるわけにはいきません。いつもどおり、活動を続けていくことの大切さを実感しています。
2019年9・10月と上陸した台風15号・19号では東日本を中心に大きな被害が発生しました。「おてらおやつクラブ」ではすみやかに、家庭や参加寺院や団体に被災状況を確認し、微力ながら必要な物資を事務局の普段の備えからお届けする対応を行いました。
支援していたつもりが支援され、本当にいつどのように立場が変わるかわかりません。
事務局メンバーが現地入りして「おすそわけ」をお届けした際に、普段この地域でおすそわけにお力添えいただいているお寺のご住職がお話くださった言葉です。
被災直後は行政などの支援活動により私たちから届けなくとも十分に届いている。それよりもその後、平時に戻っていく時間の中で「おやつ」が必要なタイミングがやってくることがわかってきました。災害ボランティアなどの現地支援は、現地の状況や時間の経過とともに往来が少なくなっていきます。それでも被災地での生活は続いていくので、そんなときにこそ「おてらおやつクラブ」の息長い活動が力を発揮します。
ご自身も被災されたお寺さまが自ら被災地支援の拠点となり、地域へ「おすそわけ」を届けたい、とお申し出いただくこともあります。また、被災地から距離があり、何かしたいけれどもすぐに駆けつけることができないお寺さまから「どこか支援物資を届ける場所があれば教えてほしい」と、お申し出いただくこともあります。どちらも災害発生後の数日間のやり取りのなかで聞こえてきた声です。
平時の「おすそわけ」が有事の備えに。ぜひ様々な形で、おてらおやつクラブの活動にご参加ください。
現在、天理市へのふるさと納税による寄付を募集しています。お預かりしたご寄付は、ひとり親家庭へのおすそわけの配送費や運営費として大切に活用いたしますので、ご協力をお願いいたします。
▼天理市プロジェクトページ
https://www.furusato-tax.jp/gcf/3526
*通常のふるさと納税と同様、寄付金控除を受けることができます。
*当プロジェクトには返礼品はございません。あらかじめご了承ください。