【後編】フェリシモさまにインタビュー
〜ともに社会課題を解決していくために〜

※こちらの記事は先日掲載したフェリシモさまへのインタビュー記事の後編です。前編の記事をまだご覧になっていない方は先にそちらをご覧ください!

▼前編はこちら
【前編】フェリシモさまにインタビュー 〜ともに社会課題を解決していくために〜

「GO!PEACE!」を通して見えた課題と信念

小林 ──一般的に、企業は利益を一番に追求するというイメージがあるのですが、先日始まった「GO!PEACE!」の趣旨でもあるように、フェリシモさんは「みんながしあわせ」ということを特に重視されていますよね。社員の方が先頭となり、お客様や私たちのようなNPO団体、助けを必要としている方たちまでをも巻き込んでいくことで「ともにしあわせになるしあわせ」を目指している企業だと感銘を受けます。このようなスタンスはどのようにして生まれたのでしょうか?

松本さん

「幸福社会学の確立と実践」という企業理念があって、それに賛同する人間が集まってるというのが答えだと思います。ただ、やり方はずっと模索していまして、現状のフェリシモのレベルから事業性も独創性も社会性も全部ステップアップしていく必要があると思っています。 まだまだ社会性も足りてないし、もっと面白いことができると思うし、もっとちゃんと利益も出していかねばならないというのは今「GO!PEACE!」をやっていて改めて感じていることですね。

内村さん

社会問題ってやっぱり我々が生きていく中で同じように変化していくじゃないですか。人口やジェンダーの話など様々ありますが、文化が変わればやっぱり問題も起きていく。
それに対してフェリシモとしては、基金を用いた金銭の支援にとどまらず、お客様と一緒に学びながら「実はこういう問題もあるんだよ」そして、「こういうやり方もできるんだよ」ということを伝え続けていくのが大事なんじゃないかなと思っています。
今回「GO!PEACE!」で様々な支援方法を提示させていただいたんですけど、それを見てうちの社員も、「ただお金を集めて送ればいいわけではない」ということを感じているのかなと思います。

小林 ──松本さんが今回「GO!PEACE!」を行って、「まだまだだな」と感じたとおっしゃっていましたが、それは具体的にどのあたりでしょうか?

松本さん

「GO!PEACE!」ではお客様からいろんな反響がありました。主に「コンセプトに共感します」とか、「応援しています、頑張ってください」、「気軽に社会活動に参加でき、私たちにとってもすごく嬉しいです」といったお声をたくさんいただきました。
一方で、例えば「時短と言いながら、使い捨て商品をいっぱい売ってるのはどうなんですか」だとか「環境配慮素材って言ってるけど、その混率がすごく低いのはなんちゃってじゃないんですか」という批判的なお声も…。あるいは「カタログをたくさん送ってくるけど、この紙資源はどう考えてるんですか」などの疑問を投げかけられることもあります。
これらは「本質的にフェリシモは社会的な企業なんですか」というお客さまからの問いかけだと僕たちは認識しています。それを踏まえて、まだまだ僕たちも見直すべきポイントがあるし、課題を100%解決できるかは分からないけれど、少なくとも解決に向けて「もっとできることがあるんじゃないか」と考えていかないといけないと思っています。

小林 ──言われてみれば、確かにそうですね。

内村さん

間違ったことを言ったりやったりするのは良くないと思いますが、企業として「こういう問題があって、私たちはそれに対してこうしていくべきだと考えている」というのを、常に言葉として出していくことが今の時代では重要ではないか、と考えています。だから「完璧な答えが出てから発言をする」のではなく、今我々ができることをできるところからスタートしていく。そして、それに賛同していただけるお客様にもできるところから参加してもらう、という流れを作れたらいいなと思っています。

野田 ──それはすごく大事ですよね!おっしゃるように「完璧じゃないかもしれないけど、やるべきことは信念を持ってやり通す」というのが非常に大切だと、心から共感します。

現在進行中の企画「GO!PEACE!」の画像
右上には「精進カレー」、左下には「みんなでおそなえギフト」が写っています!

新しいアイデアが生まれていく社内の仕組み

小林 ──商品の一部がおてらおやつクラブに寄付されるという仕組みだけではなく、おそなえギフトのように、みんなの少しずつの寄付が集まることでおすそわけが送られるという仕組みであったり、精進カレーのように4つ買う中の1つをおすそわけするという仕組みに関するアイデアなどはどのようにして生まれてくるのでしょうか?何かこういった企画を考える時に意識していることはありますか?

松本さん

みんなでおそなえギフトは僕が考えたんですけど、新しいアイデアはだいたい何かと何かのアイデアの組み合わせでできているんです。
みんなでおそなえギフトの場合は、まずフェリシモでは「フェリシモの森基金」や「わんにゃん基金」といった「100円基金」というのを「月100円ならみんな出しやすいよね」というコンセプトでずっとやっていたんです。加えて、僕がWeb担当時にLINEギフトの担当をしていた時に、フェリシモ LINEギフト店を開設したんです。LINEギフトって匿名の人にプレゼントできるじゃないですか。 
みんなでおそなえギフトはこの2つのアイデアの組み合わせなんです。100円でみんなで参加できて、匿名のプレゼントを送ることができるという仕組みですね。 
精進カレーは、「1L for 10L」みたいに「何個買うと何個が届く」というのはよくあるもので、それを応用したものですね。

内村さん

精進カレーの企画をおてらおやつクラブさんと一緒に行うなかで、「おてらおやつクラブさんの支援の対象がひとり親家庭」というところも結構大きいと思うんです。
私には「誰か知らない人と一緒に『いただきます』ができたらいいよね」という思いがあって、お客様には「4つ買って1つをどこかに送っていただいて、私の家族や私の大切な人とどこかの誰かで一緒に『いただきます』ができている」という体験をしていただきたいなという想いがありました。

野田 ──「みんなで一緒にいただきますができるように」というのはコンセプトとしてすごくいいですよね。しかも、このコンセプトを第一義としては打ち出さない「奥ゆかしさ」が特にいいなと思います。 大々的に「いただきます」を全面に押し出しすぎるとちょっと恩着せがましくなってしまう。どこまで差し上げる側の想いを伝えるかという塩梅はとても難しいんですけど、そこは「フェリシモさんは流石だな」と感動しています。

内村さん

支援ってどうしても支援される人の方に注目されがちだと思うんですけど、この支援に参加してくれた人たちも主人公じゃないですか。だから、上から目線にならないように、「一緒に」という感覚をずっと持っておいていただきたいなと思っています。今はたまたまカレーをお届けする立場かもしれないけど、自分が今度は誰かに助けてもらうこともあるかもしれないと、精進カレーを通じて気づいていただくことができたら素敵だなと思いますし、また仏教的でもありますよね。

松本さん

私が「〇〇のために」という表現を使うと、先代の名誉会長に「『ために』じゃあかん!『ともに』や!」とよく怒られたんですよね。だから「ともにしあわせになるしあわせ」なんです。

野田 ──なるほど。そこでつながってくるわけですね!

小林 ──僕は、みんなでおそなえギフトの「100円という気軽なお金でつないでいける」という点がすごくいいなと思っています。「アイデア同士の組み合わせ」による相乗効果や、「部活動」など風通しのよいコミュニケーション、そして何より受け手への思いやりがあるからこそ、自分も周りも気負わず「ともにしあわせになる」アイデアがたくさん生まれるのだろうと、感銘を受けました。

松本さん

そうですね。100円基金については、伝統的に「森基金」や「わんにゃん基金」、「震災の復興を『もっと、ずっと、きっと』」という基金などもあったんです。加えて、フェリシモは、「毎月お買い物をしていただく」というスタイルの通販なので、「ついでに100円」という感じなんですよね。「毎月100円だったらいいよ」、「気軽に参加できるよ」というのが自分たちの特徴的な仕組みかなと思っています。

フェリシモとおてらおやつクラブで共同開発した精進カレー。
4つ買うと1つがおすそわけされる。

おてらおやつクラブとフェリシモのそれぞれができること

小林 ──今後のおてらおやつクラブに期待することはありますか?

内村さん

自分も子どもがいて、おてらおやつクラブさんからいただくご家庭からの声を見せてもらうなかで 、「ひとり親家庭の子どもが大変だ」ということはよく分かったのですが、それと同時にお母さんの大変さは壮絶だということを感じました。
「子どものために今できることを全てやって、お母さんは水だけ飲んでいる」とか「お化粧もまともにできていない」とか、そういった声を見ているとやるせなくなります。フェリシモのお客様の多くは女性なのですが、今お買い物をしていただけている方の中にも、大変な状況の方がいるかもれない。あるいは、将来困りごとを抱えることにならないとは限らない。そう思うと「お母さんをどうにかして助けてあげたいな」と強く思います。 
「お母さんに何をお届けすると喜んでもらえるだろう」と考えながらおてらおやつクラブさんの媒体を見ていると、「シャンプーをお届けしたらすごく喜ばれた」などという話もあり、なるほどと感じました。「子どもだけではなくてお母さんへの支援ももっと見えてきたら嬉しいな」と思いますね。

松本さん

私は貧困の問題って経済の問題以上に社会とのつながりの問題だと思っています。「何かあった時に、お寺に行ったら少なくとも話だけでも聞いてもらえる」、「なにか紹介してくれる」みたいに本当に駆け込み寺的な感じで、お寺が困ったときにたよれる選択肢の1つになってもらえたらいいですね。
僕たちは通販なので、商圏が全国にある一方で、地域に密着した活動という面では弱い部分があります。地域密着での活動はお寺の強み。おてらおやつクラブのつながりがもっと広がることを期待しています。

内村さん

そういえば、おてらおやつクラブさんののぼりをよく見かけるようになりましたよ!

野田 ──それはすごく嬉しいですね。まずは匿名という関係のなかで気軽につながり、気兼ねなく「たすけて」と言いやすい土壌を耕すことが、僕たちの大切な役目だと感じています。そして関係性が続くなかで、例えばのぼりを見てくれた人がお寺に立ち寄ったりといった、対面での関係も作れるようにしていきたいです。最初はご縁を広げるために匿名を入口にして、徐々に密な関係性が築けたら、と

松本さん

是非お互いの強みを生かしながらいろいろなことを、これからもご一緒できたらいいなと思っています!

野田 ──ぜひ!本当に僕らもいつもすごく助かっているので、こちらこそお願いします!!

松本さん

いつも僕らも「仕事増やしちゃってないかなー」と心配してて、、

野田 ──いやいや全然!たくさんアイデアをいただくなかで、僕らも「フェリシモさんからまた面白そうな提案を頂いた!」というワクワク感の方が大きくて(笑)。小林君もそうだよね?

小林 ──そうですね!今回このインタビューの下調べをしていても、「フェリシモさんは本当にさまざまな心ある企画をされているな」と感銘を受けました。これからもフェリシモファンの一人として、いろんな企画を楽しみにしています!

松本さん・内村さん

ありがとうございます!

野田 ──フェリシモさんのような老舗の、温かい企業さんからパートナーシップを結んでいただけるのは本当に光栄なことです。
僕らとしても、そこに恥じないような取り組みをこれからも続けていきたいと思います。これからも子どもたちの笑顔をたくさんつくっていけるよう、皆さまから頂いたお気持ちをしっかりとつないでいきます!

インタビューを終えて

インタビューを通してフェリシモさんの内側を見ることができ、私としても企業のイメージが一変する良き機会になりました。フェリシモさんの、社員それぞれが自分の好きなこと・趣味から仕事を始めることができる上に、日常の暮らしを良くしたり、社会課題の解決もできるという環境・雰囲気作りには感嘆するとともに、「社員さんも楽しく働けるんだろうな」と感じました。私は現在大学生ですが、将来はこういった「やりがい」を感じられるような企業で働きたいなと思います。(小林)


常日頃からの多大なご支援に加えて、今回のインタビューにもご協力いただいたフェリシモの皆さまに、改めて感謝申し上げます。

おてらおやつクラブではこれからも、こうした一つ一つのご縁を大切にし、様々な企業さま・個人さまと協力して子どもの貧困問題の解決に取り組んでまいります。

引き続き応援のほどよろしくお願いします。

*困りごとを抱えるご家庭からの「たすけて」の声に十分に応えていくため、継続的に活動を支えてくださるマンスリーサポーターを募集しています。

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