「おてらおやつクラブでのインターンシップ活動を終えて」

認定NPO法人おてらおやつクラブは2021年8月~9月の期間、NPO法人ドットジェイピーさまからご紹介いただいたインターン生を受け入れていました。

今回のインターン生は同志社大学一回生の小保内亮(おぼない・あきら)さんと、京都大学一回生の小林慎太郎(こばやし・しんたろう)さんのお二人に来ていただきました。

インターンを通じて得た学びや気付き、それを踏まえての今後の展望などについてお二人から感想を頂きました。

本記事では、同志社大学・小保内さんからのレポートをご紹介しますので、ぜひご一読ください。

—▼以下、小保内さんからのレポート—

皆さんこんにちは。
同志社大学商学部、一回生の小保内亮です。
私は、今年の8・9月の2ヶ月間、おてらおやつクラブでインターンシップ活動をさせていただきました。そこで、私がおてらおやつクラブでインターンシップ活動を希望したきっかけ、活動を通じ学んだことなどをご紹介できればと思います。

私が今夏、おてらおやつクラブでインターン活動をさせていただいたきっかけは、私の過去の経験にあります。私は、小学生の頃から母子家庭で育ち、一時、相対的貧困家庭になるなど、比較的経済的に貧しい生活をしてきました。よって大学生になる前から、貧困問題には人一倍興味がありました。

さらに、おてらおやつクラブは、おすそわけ活動により食料面から貧困に対処しています。そのことを初めて聞いた際に、かつて経済的な苦しさために、食べ物について兄弟喧嘩をしたことが思い出されました。さらにこの時に感じたのは、自分の家にお金がないことに悩んでいたあの時期に、おてらおやつクラブのような活動が自分の家庭にも届いていれば、少しでも気を休めることが出来たのではないかという思いでした。
これらのことから、おてらおやつクラブでの活動に興味が湧き、活動させていただくこととなりました。

私がおてらおやつクラブでの活動を通じ学んだことは、

・自分以外の貧困状態を俯瞰することで自分を相対化すること
・おてらおやつクラブは人から人への思いを非常に大切にし、活動していること

の2つです。
おてらおやつクラブでの活動の過程で、おすそわけを受けているご家庭の声を知る機会がありました。そこでは、一人での子育てにより経済的に困窮している一人親の方々の姿、また、そういったご家庭がおてらおやつクラブの活動を非常に頼りにしていることなどが分かりました。自分の家庭よりも経済状況が大変なご家庭も多くあり、自分の目線からは見えていなかったことも多かったです。例えば、ご家庭からの声でおすそわけ品に化粧品があったことをお喜びになったものがありました。私にとっては、貧困によって化粧品に対してお金をかけることが出来ない状況というのは想像もつかないことでした。

さらに、子どもがおなかをすかせていることやおかわりができないことに不安を抱えているという声もあり、自分自身の過去を振り返り自分の親も同じような感情だったのではないか、などと考える機会にもなりました。それにより、個人的なことではありますが、当時のことを話し合いながら自分の親との新しい関係を築いていこうと感じました。

また、おてらおやつクラブの活動は、その中に人が他者のことを思いやるところの多いものだと思っています。例えばそれは、おすそわけの中に入れるご家庭へのメッセージにも現れています。このメッセージはおてらおやつクラブに関わる方々が、ご家庭の状況や心情を慮った内容になっており、これに対するご家庭からのポジティブなフィードバックも見られました。

加えて、インターン活動中、おてらおやつクラブへ送られてきたおすそわけ品のなかに、賞味期限がきれていたり、開封されているものなどがありました。事務局の方に相談したところ「受け取るお母さんや子どもさんのことを考えると、これは入れられないね」というお話が。いつでも受け取る側の目線にたって、一つひとつのおすそわけを考えていることに感銘を受けました。

私がこのことについて考えた際に、おてらおやつクラブは「余っているから、自分たちにはいらないからこの食糧をあげる」というような考え方ではなく、困っている人へ自分が何かできないか、というような人から人への気持ちによって成り立っているということを教わりました。私はまず、この理念は温かみのあるものと感じました。また、以前から研究や数値から物事を考えがちだった自分にとってこのコンセプトは新鮮であり、物事に対する自分の視野を広げることにつながると思っています。

例えば、本を読むなどして知識的に人の行動を知ることはできますが、じっくりと他者の感情を熟考することは、自分にとってはあまり力を入れていない領域であり、これに手を伸ばすことで新たな気づきが得られるものと思っています。

このように、おてらおやつクラブでのインターンシップ活動は、私の考え方の視座を高めるものでありました。ここで活動した夏季休業から大学生活に戻ろうとも、ここでの経験から得られた考え方を忘れず、この考えから発した行動を起こしていきたいと思っています。

最後になりますが、上記のような考えに至りましたのは、おてらおやつクラブでの活動の結果であり、2か月間私を受け入れてくださり、新たな視点を授けてくださったおてらおやつクラブには誠に感謝をしております。本当にありがとうございました。