認定NPO法人おてらおやつクラブは2022年2月~3月の期間、NPO法人ドットジェイピーさまからご紹介いただいたインターン生を受け入れていました。
今回のインターン生は畿央大学・京都産業大学からそれぞれ1名ずつ、計2名に来ていただきました。
本記事では、京都産業大学・山田敏也(やまだとしや)さんからのレポートをご紹介しますので、ぜひご一読ください。
—▼以下、山田さんからのレポート—
こんにちは。京都産業大学経営学部二回生の山田敏也です。2022年の春休みに、おてらおやつクラブでインターン生として活動させていただきました。春休みの2か月間で学んだことや考え方の変化について紹介します。
1.おてらおやつクラブのインターンに参加したきっかけ
私は2月と3月の2か月間、NPO法人ドットジェイピーのNPOインターンに参加しました。私がおてらおやつクラブをインターン先として選んだ理由は、物事を広い視点で考えられるように、少しでも自分の知らないことに触れたかったからです。
インターンに参加するまで、私はおてらおやつクラブのことは知りませんでした。社会問題についても全くと言っていいほど知識がありませんでした。そんな中で沢山のNPOの中からおてらおやつクラブをインターン先として選びました。子どもの貧困問題の解決に取り組んでいること、お寺で活動をしていてお坊さんと関わる機会もあると聞いて自分が知らないことに触れられると思いました。
40以上あるNPOの中でおてらおやつクラブに決めたのは、過去にインターン生として参加した小林慎太郎さん(小林さんの活動記事はこちら)のお話を聞いたからです。小林さんは自分がおてらおやつクラブのインターンで学んだ社会問題に関する内実や、「中の人」がどのような方々なのか、またその人たちの魅力を詳しく教えてくれました。
2.実際の活動
インターン開始前、子どもの貧困問題の解決に取り組んでいるということは聞いていましたが、具体的な活動に関しては自分の中であまりイメージできていませんでした。初めて事務所に伺ったときは、不安と楽しみが混在している状況でした。
最初にした活動は、お寺に届いた寄贈品の情報整理でした。誰から何が届いたのかなどをアプリや写真などを使って管理します。寄贈品の多さに衝撃を受けたのを覚えています。その作業が終わったら、本堂にお供えして食品を賞味期限別に仕分けします。この作業で印象的だったのは、2か月間事務所に通った日の中で寄贈品が少ないという日がほとんどなかったことです。いつ活動に行っても多くのお供えが本堂にある状態でした。
賞味期限別に分けた後は、助けを求めている家庭に対して食品や日用品を箱詰めします。この作業では、どうすればより多くの食品を詰められるか、何を入れたら子どもが喜んでくれるかなど様々なことを考え、思いを込めながら活動することができます。食品や日用品を梱包してすぐに発送できる状態にするまでが一連の作業で、その過程の一つひとつが新鮮で学びにあふれるものでした。
その他、「おすそわけ」に添える手紙を書く・届けやすいようにお米を小分けにする・政府に対してメールを作成して実際に提出する、などパソコンを使って作業をする機会も多くありました。
全体に共通して言えることは、普段の生活ではあまりしないことなので、自分がどういった作業に向いているのかを知れて新鮮だったということです。「いかにして慣れない作業に早く慣れようか」「どうしたらスムーズに仕事ができるか」などを常に考えながら活動することを心がけました。このように、新しい世界に触れ自分と向き合う機会を持てたことは、今後の糧になると確信しています。
3.おてらおやつクラブで学んだこと
おてらおやつクラブでの活動で学んだことで一番印象的だったのは、子どもの貧困問題に関してです。先述の通り、私は子どもの貧困問題のことを全くと言っていいほど知りませんでした。そもそも、日本に貧困問題があることすら認識しておらず…。無知の状態から活動を通して、貧困問題に関して人に説明できるようになりました。
インターネットでの調査や周りの人への質問によって、貧困問題の現状について学びました。インターネットで知ったことも印象的ですが、事務所で目にした支援させていただいた方からの感謝や自分の過去の経験を綴った手紙、支援しようとする方からの困っている家庭に対する温かい言葉を綴った手紙が最も印象的でした。支援を必要としている方と支援しようとする人の実際の声に触れて、自分の今の生活は当たり前ではないと感じました。また、支援させていただいた方からの手紙を見て活動にやりがいや達成感を感じました。何より、自分の行動が誰かの役に立っているということが嬉しかったです。
インターン中、大変だったこともあります。それは、期間中に2回あったプレゼンテーションです。1つ目は、ドットジェイピーが主催のプレゼンテーションです。そのプレゼンテーションでは、もう一人のインターン生の仲間・Nくんとともに政策を企画し、その予算までを自分たちで計画しました。2つ目は学生向けにおてらおやつクラブについて紹介するもの。これは最初に団体について紹介して、その後自分たちの経験から考えたことを話すといった形のプレゼンテーションでした。今までプレゼンテーションを準備し実施する機会などほとんどなかったため、暗中模索で進めました。複数人で1つのものを作り上げることが、どれほど難しいことなのか学びました。
私たちが最後までプレゼンテーションの作成を頑張って乗り越えられたのはおてらおやつクラブ事務局の方たちのサポートがあったからです。自分たち以上に真剣に内容を精査してくださり、相談や質問にも対応してくれました。感謝してもしきれないです。この経験から、もっと人に頼って良いのだと分かりました。おてらおやつクラブの社会的な存在意義である「たよってうれしい、たよられてうれしい。」の言葉の意味を、自分自身が活動を通して理解することが出来ました。
4.インターン活動を通して
インターン活動を通して、自分は人と話すことが好きになりました。団体の人と話していても様々な考え方を吸収できるし、世間話をしていても人によって物事の捉え方が違うので新しい発見があるのが楽しかったです。これは自分にとって大きな成長だと思っています。今までも人と話すことが嫌いではなかったのですが、必要な時だけ話したら良いと考えていました。活動中に質問することの重要性を教わってから、分からないことは自分から聞くようにしました。そうすると、質問から会話が広がって話す機会が増えました。活動の最後の方では良い意味で事務局の方に気を遣うことなく、何でも話せるようになっていた気がします。この経験から人と話すことの楽しさと、分からないことを質問することの重要性を学びました。
5.今後の行動について
自分はインターン活動を通して学んだ子どもの貧困問題に関して、身近な人から発信していきたいです。その結果、少しでも貧困問題について知る方が増えれば良いなと思っています。最終的には日本で貧困問題が見えやすいものになって、解決に繋がればいいなと考えています。その一歩として、自分はドットジェイピーの学生スタッフになりました。スタッフになったからには、このインターンシップや社会問題、NPOの魅力について自分なりに発信していきます。おてらおやつクラブでの経験を活かして、自分自身も無理せず楽しみながら様々な人とコミュニケーションを取り、引き続き社会問題の解決に貢献していきます。
6.最後に
おてらおやつクラブでの活動で自分が最も嬉しかったのは、人との繋がりが出来たことです。もう一人のインターン生のNくんとの繋がり、おてらおやつクラブの職員の方との繋がり、ボランティアとして参加している方との繋がりなどおてらおやつクラブに来ていなければ無かった繋がりがたくさんあります。インターンで生まれた繋がりをこのまま終わらせたくないと思っています。そのためにも、今後もおてらおやつクラブのボランティアや寄付など様々な形で活動に参加したいと考えています。